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東川 公則 騎手(笠松)

2006年04月01日

  数々の名騎手を輩出する笠松競馬で、昨年のリーディングジョッキーとなったのが
東川公則騎手。
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今年も4割の連対率でファンの期待に応えている。
東川騎手といえば、ミツアキタービンとのコンビが有名だ。2003年12月の中京競馬では、
アンドゥオールを4馬身ちぎり捨て、フェブラリーステークスGIでもアワヤという好勝負を
演じた。そのあとダートGIIを2勝した名馬は、現在復帰に向けて鋭気を養っている。


■JRAで挙げた唯一の勝利がタービンで勝った香嵐渓特別です。あの時はパドックで他の馬と比べても
見劣りがするし、実際に調教で乗っていてもスゴイという感覚がないものですから、緊張もしませんでした。

結果は完勝でしたが、勝ち時計もなんでこんなに速いんだろうと思うくらい、まだ半信半疑なところが
ありました。強いとハッキリ認識したのは、その次の東海ゴールドカップです。そのときぼくは自厩舎の
サダムクリスタルに乗っていたのですが、その馬もけっこう強いのにタービンには8馬身ちぎられました
からね。

あの後ろ姿を見て、タダモノではないなとようやく実感したんです。そして手綱が戻って挑んだ
フェブラリーステークスでは、行きっぷりがよくて2番手につけられて。そして最後はアドマイヤドンと
あまり差のない4着でしょう。

あんな競馬ができるなら、もう一度しっかり仕上げて挑戦したいですね。
もうすぐ帰ってきますし、本当に楽しみです。

東川騎手は昨年、デビュー19年目にして初のリーディングジョッキーに輝いた。

■本当は川原騎手がいるうちに(昨年6月兵庫へ移籍)獲りたかったのですけどね。
まあ、川原さんが移る時点でぼくの勝ち星が上だったから、よしとしましょうか(笑)。

でも、ここまでくるのは長かったですよ。デビューしてしばらくは「本命で飛ぶ東川」とファンの
人たちに言われていましたから。本命で負けたのに、お客さんに何も言われなくて不安になる
こともありました。

安藤勝己さんなら怒鳴られるのに......。そう、あの頃はヤジられるくらいになりたいと
思っていましたね。

笠松で顕著な成績を収めた騎手に贈られる騎手表彰は、3年連続の受賞となった。

■フェアプレーで乗らないともらえませんし(騎乗停止が5日以上あると、受賞資格を失う)、
単純にうれしいですね。

でも、デビューしてから10年目くらいまではスタートの御法でよく注意を受けていたんですよ。
だから今でもかなり気を使っています。ここは後手を踏むと厳しい競馬場ですし。

笠松競馬場は騎手のレベルが高いことでも知られる。これまでにも安藤勝己、安藤光彰、
川原正一、柴山雄一などが笠松の地で育っていった。

■偉大な人の背中を見ていましたから、その影響は大きいと思います。それにここは騎手たちが
みんな一所懸命にやっているんですよ。レース中でも他の騎手からの『勝ちたい』という強い気持ちを
感じます。もちろんぼくも、人気薄の馬だろうが勝ちに行く競馬をしています。

(昨年秋に笠松に短期所属した)内田利雄さんとか外から来る騎手に対しても、勉強になると
思って接していますよ。自分自身が刺激を受けて成長していければ存在は別に気にならないし、
乗り馬が取られるなどという悔しいことにならないように自分が頑張ろうという気になるから、
むしろ大歓迎ですね。

しかしながら、周りにいい手本があったとはいえ、理想の騎手像については「それとこれとは
別」という。

■今も毎日、理想の騎乗フォームをイメージトレーニングしているんですよ。いやあ、海外の騎手は
本当にすごいですね。海外のレースビデオを見て衝撃を受けてからヤミツキになりまして。
その映像を自宅で編集して見ているくらいなんです。ぼくの理想は、世界のトップジョッキーのように
「馬をブレさせないための動作が自然な流れの中でできる騎手」なんです。

まずはリーディングジョッキーになったということで、第一関門突破、っていう感じですね。
また、リーディングを獲れたことで招待競走などに行けるようになったのがすごい収穫で、
いい刺激になるんです。これからもそういう舞台にたくさん立ちたいですね。

JRAにももっと参戦したいし、ホントいろいろ勉強中です。

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1周1100メートルの小回りコース。笠松競馬の勝負ポイントについて聞いてみた。

■とにかく外を回らないこと。特に1コーナーの回り方ですね。そこを内で我慢できるかどうかが勝負の
分かれ目だと思います。それと脚の使いどころ。距離が持つか怪しいなと思う馬でも、行ききれれば
けっこうしぶとく走ってくれるんです。だからこのコースは思い切りも大切。

それとマイル戦は内枠がやっぱり有利です。いくらダッシュ力があっても10番枠はつらいですね。

経営難が伝えられる笠松競馬。馬上からの視点でみた感想と、ファンへのメッセージを
聞いた。

■いやあ、スタンドにお客さんがいないのがよく見えるんですよ(苦笑)。表彰式でも周りに誰もいないから、
なんだか浮いちゃうし。やっぱりヤジられるくらいのほうがいいですね。

笠松競馬場の魅力は、騎手同士の駆け引きが深くて、たくさんのファンに楽しんでもらえる
ところだと思います。食べ物もいろいろありますし、もっとみなさんに参加してもらいたいですね!

東川騎手は「上手いと思う騎手はいない」とも言った。しかし続けて「いや、上手いと思う
人はいますよ。でもそのジャッジを下す前に、自分がきちんと乗れているかどうかなんです
から」なるほど。きっと東川騎手は、プロの探究心をとことん持った、とても明るい『ナイス
ガイな哲学者』なのだろう。

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東川公則(ひがしかわまさのり)

1969年9月6日生 おとめ座 AB型
愛知県出身 後藤保厩舎
初騎乗/1987年4月26日
通算成績/10,797戦1,293勝
重賞勝ち鞍/オグリキャップ記念GII、ダイ
オライト記念GII(船橋)、東海
ゴールドカップ2回、岐阜金賞2
回、ゴールドジュニアなど21勝
服色/胴白・赤ひし山形一本輪、そで青

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※成績は2006年2月28日現在

(オッズパーククラブ Vol.1 (2006年4月〜6月)より転載)

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