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石川 倭 騎手(北海道)

2013年07月18日

ホッカイドウ競馬の新人、石川倭(やまと)騎手(18)。7月16日現在10勝を挙げ、井上幹太騎手とともに新人らしからぬ騎乗で門別競馬を盛り上げています。

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斎藤:騎手になったきっかけを教えてください。出身は富山市ですね。

石川:親と祖父が競馬好きで、家ではいつも中央競馬を見ていました。子どもの頃からずっと騎手には憧れていて、小学5年の時、将来の夢を書く時に、初めて騎手になりたい、と意識しました。家族に伝えた時は、一時期金沢競馬の厩務員をしていた祖父には一度だけ、危ないから、と反対されました。今は応援してくれています。中学時代はハンドボール部でした。父もしていたし、地元は盛んで強いんです。スキーもするし、体を動かすことは好きです。

斎藤:騎手試験には一発合格でしたね。

石川:中学2年で乗馬を始めましたが、乗馬クラブの馬はそんなに指示出さなくても勝手に動いてくれるので......。教養センターでは、周りは経験者ばかりで、自分はついていくのでせいいっぱいでした。負けず嫌いなので、人の乗り方を見て、いいところを盗んでやってきました。

斎藤:北海道に決めたのはなぜでしょう。

石川:北海道と金沢で悩みましたが、2歳や若い馬が多いことや、乗りならしからはじめられるところで北海道を選びました。また、中央や他地区に挑戦できたらいいなと思っています。

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斎藤:所属は、騎手としても1438勝を挙げた米川昇先生の厩舎ですね。勝負服も受け継いでいます。

石川:先生は、教えてもくれますが、基本的には「自分で考えて乗るように」という考えです。勝負服は、先生に「いただきたいので、いいですか?」と聞きました。すると「それでいいのか」と。偉大な騎手ですので、恥じないようにと思っています。先生が騎乗しているレースのビデオを探しているのですが、なかなか見つからないんです(笑)。
普段は、先生のほか、齊藤(正弘)調教師や、手伝いに来る川島雅人騎手、松井(伸也)騎手が教えてくれます。五十嵐(冬樹)さんは間近で乗っていると迫力があり、目標にしています。いろんな人のいいところを取り入れたいです。

斎藤:身長は167.5センチありますね。

石川:会うたびに「またでかくなったんじゃないか」と言う方もいますが、伸びずにすんでいます(笑)。手足が長いことを生かした追い方をするようにしています。道営には、齊藤調教師もですが、桑村(真明)さん、阿部(龍)さんとか、背が高くて上手な人がいっぱいいますから参考にしたいです。体重管理のために走るようにしています。厩舎が坂路に近いので、坂路も1本登るんです。

斎藤:初日(4月24日)のことを教えてください。第1レースから、同期の井上幹太騎手が勝ちましたね。

石川:「持ってるな」と思いました。自分は、初日は思ったより緊張しなかったのですが、次の日のパドックから緊張しはじめて。周りをみる余裕ができたのでしょうね。

斎藤:初騎乗(第4レース)は3着、2戦目(第5レース)は、井上幹太騎手の2着でした。

石川:あと200というところで、(井上騎手の馬を)交わせるかな、と思ったのですが、近づくにつれて向こうも伸びていった。ただ、負けたことが悔しくて。特に幹太だから、というのはなかったです。
普段は幹太のことは意識はします。どれだけ数乗っているか、どんな乗り方するか。普段は厩舎が遠いのであまり会えませんが、調整ルームなどでは仲がいいです。
(他場の)同期も、勝ったのを聞くとどんな競馬をしているか気になりますね。笹川(翼、大井)も勝ってるな、って。仲が良かったのは、船橋の木佐貫(泰祐)と、幹太です。

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デビュー6戦目、自厩舎のアラマサアルデで初勝利

斎藤:初勝利は5月3日(第4レース)でした。

石川:人気(2番人気)だったのでほっとしました。逃げ馬で、スタートダッシュもよかったです。強い馬がいたので、その馬が来るまでじっとしていよう、と考えていました。人気馬に乗った時、どういう競馬をするかを考えさせられました。これからもチャンスに応えられるようにしたいです。

斎藤:5月22日には、フジノジャガーで特別レースを勝ちました。

石川:ナイターは気持ちか高ぶりますね。わくわくする。緊張して、いろいろと想定しすぎてしまいました。それでも思っていたように位置を取れたし、道中はタイミングを間違えないように、と考えていました。馬が強かったです。返し馬の時にキツネが出てきて、怖かったですけど。

斎藤:2歳馬の騎乗も多いですね。

石川:乗せていただいていますが、乗りこなすのは難しいです。悪いこともすぐ覚えるから、より集中が必要なんです。

斎藤:一番思い出に残るレースは。

石川:負けたレースなのですが、6月18日、フジノジャガーでシセイカイカの2着に負けたレースです。競馬の難しさを感じました。馬の力を全て出し切るのは難しい。状況によって、瞬時に判断できるようになりたいと思いました。レースが終わってからや、調整ルームでビデオを見ていると、騎手の先輩方がみんな「ここがこうだから」と教えてくれます。

斎藤:10勝なので、重賞にも乗れますね。

石川:まだ重賞に乗れるだけの技術には足りないので、自信もって乗れるように努力したいです。乗りたいのは道営記念です。道営馬だけのレースだし、去年見ていて、雰囲気にぐっと来るものがありました。

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斎藤:普段の生活を教えてください。

石川:2時半までに起きて、3時から攻め馬、10時までです。一度休んで、午後は厩舎作業です。先生は「手伝いに行ってやれよ」というので、齊藤厩舎や佐久間厩舎、山中厩舎などの手伝いをしています。

斎藤:倭という名前は珍しいですね。パドックでも「ヤマト!」と声がかかっていますね。

石川:ヤマトタケルノミコトからです。小6の弟はたける(傑)で、騎手になりたいと言ってますが、身長がちょっと高いですね。

斎藤:目標と、ファンに一言お願いします。

石川:今年の目標は30勝です。将来的には、リーディングを目指していきたいです。そして、怪我をしないように。ファンの方には、穴を開けられるよう頑張ります。人気にも応えて、穴も開ける。チャンスをもらっているので、生かしたいです。

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インタビュー / 斎藤友香 (写真:斎藤友香、小久保巌義)

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