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永島 太郎 騎手(兵庫)

2015年06月23日

デビューから25年目を迎えた、兵庫の永島太郎騎手。小牧太騎手・岩田康成騎手に継ぐナンバー3の時期があったり、兵庫リーディングトップ10に入れない時期があったりと、まさに山あり谷ありの騎手人生を送っています。そんな永島騎手に、現在の想いを語っていただきました。

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今年ここまで31勝(6月16日現在)、リーディング8位につけています。激戦区の兵庫で、2010年からは常にトップ10に入っていますね。

もっと勝ちたいと思っているけど、なかなか結果が出せていないです。数年間はもっと良かった時代があったので、現状に納得はできていないですね。兵庫だけじゃなくいろいろなところで乗せてもらって、上手な人はたくさんいるし、上には上がいっぱいいます。競馬は結果がすべての世界なので、誰かを意識するよりも自分自身との戦いですね。

今年25年目になりますが、ここまでのジョッキー生活を振り返るといかがですか?

気持ちも体もデビューした頃と変わらないつもりですし、40歳過ぎたけど年老いた感じはないです(笑)。いろいろなめぐり合わせの中で生きてきましたけど、振り返るとあっという間でした。僕のような波の激しい、激動のジョッキー人生っていうのはなかなかないんじゃないですかね。普通は平坦だったり、上ってそのままだったり、落ちてそのままだったりしますけど、僕は上がって下がってまた上がってのジェットコースター人生ですから(笑)

その激しい波というのは、どんなことが影響していると思いますか?

自分自身は特に変わっていないと思うんですけど、人から見て評価されたりされなかったりという感じなんですかね。どんなに自分が頑張っていると思っても、人に評価されなければ上には行けない世界ですから。あとは、「よし!今から」という時に、2度大ケガをしたこともありました。腕じゃなく脚だったので時間が掛かって、半年休んだ時と4か月休んだ時がありましたね。こういうめぐり合わせもあるんだと思います。ただ、いろいろな出会いがあって、人付き合いは恵まれました。普通では出会えない人と会えたし、本当に有難い出会いが多いです。

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永島騎手は地方の騎手には珍しく、かなり転厩が多かったですよね。

そうですね。最初は自厩舎の調教師が勇退して解散になったんですけど、当時はいい順位にいたので、勝負を賭けようとリーディングトレーナーの厩舎へ移りました。でも結果を出すことができなかったし、周りからもあまり良く思われなかったですね。

リーディング厩舎へ移籍というのはかなり目立つ行動ですし、そういう積極的な動きを良く捉えない人もいますよね?

あの頃は精神的に辛かったですね。なんだか八方塞がりみたいな感じでした。これまでと同じ世界の中で勝負しているけれど、環境が変わると人の見る目も変わりますから。でもその時、家族をはじめ身近な人たちが助けてくれて。特に、妻の父から言われた言葉が今でも忘れられません。昔の人の言葉なんですけど、「過去と人は変えられないけど、未来と自分は変えられる」っていう。人が人がと考えていても仕方ないし、なるようにしかならないんだなと気持ちを切り替えられました。

激動のジョッキー人生を25年間続けて来られたモチベーションというのは?

やっぱり、結婚して家族ができたことが大きいですね。家族に対する責任もありますし。それに、僕は騎手という仕事が大好きなんですよ。まだまだ乗っていたいし、もっと上手くなりたいです。1レース1レース、まだまだ反省点がいっぱいありますから。

騎手・永島太郎の売りは何ですか?

技術的には負けてないと思っています。プロの世界なので、そこは負けたくないですね。
具体的なことを言うと、捌きです。馬群にいる時、(アクセルを)踏んでから詰まると控える力が大きくなってダメじゃないですか。同じ詰まるでも、踏んでから詰まるのと踏む前に詰まるのでは全然違うので。踏んで控えて踏んで控えてみたいなシーソーのようなレースはダメなので、そこは大事にしています。流れの中で今踏めば大丈夫というのはわかって来ました。そういう部分の技術では負けないです。ただ、結果がついてこないと負け犬の遠吠えになるので、もっと経験を積んでもっと上手くなりたいです。

昨年の六甲盃では、ハルイチバンに騎乗して逃げ切り勝ち。人気馬を抑えての勝利は気持ち良かったんじゃないですか?

そうですね。あの時は代打で騎乗のチャンスをもらって、積極的なレースをしました。逃げたので砂も飛んでこなかったし、本当に乗ってて気持ち良かったです。ああいうチャンスを物にして、自分のお手馬に繋げて行けるかがカギですから。

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2014年3月6日、ハルイチバンで六甲盃を勝利(写真:兵庫県競馬組合)

では、今後の目標を教えて下さい。

2000勝という数字が見えて来たので(6月16日現在1820勝)そこに向かって頑張りたいです。今の流れだと、劇的に勝ち星が変わることはないけれど、1つ1つコツコツと積み上げて行きたいですね。園田では毎年2000勝以上のジョッキーが集まるゴールデンジョッキーカップがあって、2000勝というのはやはり意識しています。あのレースは誰もバタバタしないんですよね。個々に色んなアクションはしているけど、無駄な動きをしないんです。進路も甘くないし密集して走っている中で、ギアチェンジもしっかりしているし、完全に手の内に入っているから少しの隙間、一瞬の隙間を付いてパッと伸びて来られる。間近で見ていてとても勉強になります。

兵庫は常に激戦区と呼ばれますけれども、ここ最近も、若手からベテランまで揃っていますね。

みんな生き生きと乗っているんで、そういう中で僕も乗れて楽しいです。特に最近は若手が頑張っていますよね。その中でも僕が注目しているのは鴨宮祥行です。体が大きくてまだ無駄な動きが多いけど、すごく頑張っていますよ。乗り馬で成績が左右されるので、今後は技術を磨くことと、人間関係が大事。周りから信頼されて、可愛がってもらえるジョッキーになって欲しいです。

今年も『その金ナイター』が始まりました。4シーズン目ということで、かなり定着しましたね。

でも地元でもまだ知らない人がいるんです。競馬は衣食住には関係ない、なくても生きて行けるものなので、継続的に魅力を伝えていかないと。ナイターはまた違う視点で見てもらえるし、平日の昼間では見られない人にも見てもらえるので、たくさんの方に楽しんで欲しいです。どこの競馬場ももちろんですけど、その中でも兵庫のレースは激しいと思っています。ギリギリのところで戦っている、激しいバトルを見て下さい!

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※インタビュー / 赤見千尋

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