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藤田 弘治 騎手(金沢)

2015年07月31日

スーパージョッキーズトライアル(SJT)2015で、第1ステージ11位から大逆転で優勝を果たした金沢の藤田弘治騎手。一瞬にしてシンデレラボーイとなった心境をお聞きしました。

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大井の第1ステージでは4ポイント(11位通過)でしたが、第2ステージの園田で2連勝! 大逆転での優勝、おめでとうございます。

ありがとうございます。本当に奇跡が起きました。信じられないです。第1ステージでは4ポイントしか取れなかったので、さすがに優勝は絶対に無理だと思っていたんですけど、すごく嬉しいです。第2ステージの園田ではいい馬に当たったので、奇跡を信じたいという気持ちもありましたけど、まさか本当に実現するとは......夢みたいです。

まずは第1戦、華麗な差し切り勝ちでしたね。

本当は前に行く予定だったんですけどスタートで後ろ脚を滑らせてしまって......。「ああ、やばいな......」と思って、これはもうロスなく回るしかないなと腹を括って内でジッとしていました。道中で手応え良かったので「これはイケるな」って思っていたんですけど、3、4コーナーでは前で吉井(友彦騎手)くんの馬が壁になっていたので、「頼むから進んでくれ〜」と後ろから応援していました。で、上手く抜けてくれたんで「やったー!」と思いながら追って。1つ勝てたことがまず嬉しかったですね。ただ、この時点で上位の方とのポイント差はかなりあったし、たとえ次も勝てたとしても、優勝までは厳しいかなと思っていました。

そして第2戦は2番手から早め先頭の強い競馬でした。

これはもう本当に上手く行きました。レース前に思っていたことが思っていた通りに上手く進んだんです。前に付けられたらいいところでジッとしていようと思っていて、その通りに上手く行きました。本当に馬が強かったです。

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レース直後は村上忍騎手か藤田騎手か、どちらが優勝なのかわからなかったですけれども、1ポイント差で優勝だと知った時はいかがでしたか?

レースが終わってちょっと経ってから「優勝だ」って言われましたけど、間違いなんじゃないかって思いました(笑)。最終戦の前に、勝ってもポイント的に優勝は無理だろうなと思っていたので。それに、第1ステージの大井の時にレースが終わって鞍掃除をしている時に、下位2人は誰だって話になって、僕じゃないかって言われたんですよ(第1ステージの下位2名は第2ステージには進めない)。「園田行けないかも」ってなって、自分でも13着と9着だったんで、「だよねー...」って思ってて。結局はギリギリで第2ステージに進めたわけですけど(実際の下位2名は森泰斗騎手と岡部誠騎手)、優勝って言われてもまた間違いなんじゃないかって思って、すぐには信じられなかったです。

実際に優勝が確定して、表彰台に立った時はいかがでしたか?

まだ実感はなかったですけど、嬉しい気持ちはすごくありました。応援に来てくれたファンの方も泣いてくれていて、少しは恩返しができたのかなって。本番もありますけど、とりあえず嬉しい気持ちが強かったです。

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まさにシンデレラボーイですね!

いや〜...自分で「そうです」とは言いずらいですけど(笑)。こんな大きなチャンスをもらったからには、本番も結果を出したいです。今回、僕がSJTに出場できたのは、リーディングの吉田晃浩騎手がケガをしてしまって、それで2位の僕が補欠で出場することになりました。だから、吉田騎手には申し訳ないですし複雑な気持ちもあります。ただ、せっかくのチャンスなので、精いっぱい頑張ります。

藤田騎手は、金沢の顔である吉原寛人騎手と同期ですけれども、吉原騎手は2011年にSJTで優勝し、WSJSでも第2位という成績を収めました。

吉原くんは身近な存在ですけど、本当にすごいと思います。デビューした頃からバンバン勝って注目されていて、僕は全然乗り馬がいなくてものすごく差がありました。今もだいぶ差がついてますけど、今回こういう形で吉原くんが経験した大きな舞台に立てるのは嬉しいです。吉原くんは2位でしたから、もちろん1位を目指すしかないですね。

中央競馬での騎乗の経験はありますか?

一昨年の夏に、1回だけ新潟で騎乗したことがあります(2013年朱鷺ステークス マイネルルビウス・12着)。初めての芝ですごく感動したし、12着だったけどいい経験になりました。あと、金沢のオフシーズンに毎年美浦トレセンで修行しています。もう7年連続で行っていますね。施設も充実しているし、馬のレベルもすごい。視野や考え方も変わるし、すごく勉強になります。

デビューしてから約2年はほとんど乗り馬がいなくて、相当悔しい思いをしたということでしたけれども。

そうですね。あの時は本当に苦しかったですけど、黒木豊調教師が拾ってくれて、それから僕を乗せ続けてくれました。そのお蔭で今があるし、黒木先生にはいつか恩返しがしたいと思っています。ここで全国の方に名前を憶えてもらって、黒木厩舎や金沢競馬のアピールができたらと思っています。

それでは、ファンの方にメッセージをお願いします。

今回大きなチャンスをもらえたわけですけど、これまでの1つ1つのことが繋がっているんじゃないかなって思います。いろいろな方に助けてもらって、いろいろな経験をさせてもらったお蔭で今があるので。その感謝の気持ちをしっかりと持って、札幌に挑みます。それに、先日吉原くんがダートグレードを勝った(ユーロビートでマーキュリーカップ制覇)し、今回僕もSJTで優勝することが出来て、金沢にいい波が来ているんじゃないかと思っています。このチャンスを活かせるように、精一杯頑張ります!

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※インタビュー・写真 / 赤見千尋

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