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大畑 雅章 騎手(名古屋)

2015年11月25日

11月15日現在、名古屋リーディング2位に付けている大畑雅章騎手。1位の岡部誠騎手は韓国遠征中であり、5位の安部幸夫騎手までが少差でリーディング争いを繰り広げています。新たな名古屋の顔として頭角を現してきた大畑騎手に、現在のお気持ちを語っていただきました。

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大畑騎手といえばピッチシフターの印象が強いですが、10月に急きょ引退となってしまいましたね。

やっぱり寂しいですよね。あの馬とは一昨年からコンビを組ませてもらって、地元だけじゃなく全国に連れて行ってくれましたから。ダートグレードでも勝負できる馬に出会えるなんて、騎手としてなかなかないことですし、本当にいい経験をさせてもらいました。

一番印象に残っているレースは?

いろいろありますけど、去年の佐賀ですね(2014年サマーチャンピオン・2着)。すごく状態が良かったし、最高の走りをしてくれました。勝てなかったのは残念ですけど、牡馬のJRA勢相手に2着に来たんですから立派な成績です。ただ......、あそこで頑張りすぎちゃったのか、その後はなかなか体調が戻らなくて。あのレースがピークだったんだと思います。

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昨年のサマーチャンピオンは惜しくも2着(右から2頭目)

ピッチシフターはどんな馬でしたか?

まさにお嬢様って感じでした(笑)。もうね、こちらの言うことなんか全然聞く気ないんですよ。攻め馬の時から本当に大変で、わがまま女子でした(笑)。でもそのぶんコミュニケーションの取り方も勉強になりましたし、全国いろいろな競馬場に行って勝負できたことはかけがえのない財産です。

やっぱり他地区に遠征に行くことは大きいですよね。

大きいレースになればなるほど上手なジョッキーばかりになりますし、少しでもミスをすれば致命傷になってしまう。それに地方同士だとかなり人気になりますから、そういうプレッシャーの中で戦えたこともいい経験になりました。

現在は生まれ故郷に帰ってお母さんになる準備をしているそうですね。

長い間頑張ってくれて、本当にありがとうございましたという気持ちです。無事に元気な仔を産んで欲しいですね。欲を言えば......、子供に乗せてもらえたら幸せです。

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大畑騎手は現在名古屋2位に付けていますけれども、リーディングは意識していますか?

僕よりも周りが意識してますね。1位の岡部誠騎手とほとんど差がなくなって来て、その岡部さんは韓国に遠征中ですから。さすがに「今年はリーディングを!」という空気になってきました。今年はこのまま順調に行けば、今までで一番勝ち鞍を挙げられそうなんですけど、でもそれだって岡部さんがいないからですから。僕自身のことではないんですよ。

岡部騎手は2カ月間の南関東期間限定騎乗と、11月からの韓国遠征とで地元を長く空けていますけれども、存在の大きさは感じますか?

感じますね。僕なんてまだまだ足元にも及びませんよ。南関東から戻って来て、韓国に行くまでの間は神懸かってましたから。これまでも別格で上手かったですけど、より磨きがかかりました。一緒に乗っていると圧倒される時があります。

どんなところに圧倒されるんですか?

具体的に言うのは難しいですけど、まさに天才ですよ。吉田稔さんと岡部さんは天才です。まだまだ追いつける存在ではないですね。でも僕は運が良くて、その2人に可愛がってもらって、いろいろなことを教えていただきました。少しずつでも追いつきたいと思ってます。

どんなことを教わったんですか?

吉田稔さんに言われたのは、「どんなに人間が入れ込んだところで、走るのは馬なんだ」ってことです。人気馬に乗ったり、大きなレースになると人間が先に入れ込んでしまうけど、それはまったく意味がないんだって。まぁ、メンタル的なことなので、なかなか実行するのは難しいですけど、ピッチシフターや、これまで出会ったたくさんの馬たちに経験を積ませてもらったお蔭で、稔さんの言っていたことを少しは実行できるようになったかなと思います。

確かに、レース前後でもあんまり緊張している感じを見かけないです。

そうですね。昔は緊張したこともありましたけど、今は硬くなったりすることはほとんどないです。僕ね、あんまり固定観念を持たないようにしているんですよ。もちろん、騎乗馬や相手馬のことは研究しますけど、でもゲートを出たら何が起こるかわからないですから、臨機応変に対応できるようにと思ってます。こうしなきゃいけない!という気持ちがあると、どうしても緊張して体が硬くなってしまうんですけど、固定観念を持たないようにするといい意味でリラックスできるんです。

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デビューから15年、早い段階からかなり勝ち星を挙げていますね。

最初はなかなか上手く行かなかったんですけど、3年目で錦見勇夫先生が拾ってくれたんです。そこからいい馬をどんどん乗せてくれて、育ててくれました。錦見先生がいなかったらとっくの昔に騎手を辞めていたと思うし、本当に恩人ですね。先日、先生が2000勝を達成(11月2日名古屋第2レース・スキャットソング)したんですけど、少しは恩返しできたかなと思って嬉しかったです。僕が騎乗したわけじゃなくて、妹弟子の木之前(葵騎手)が乗っていたんですけどね。

先日、木之前騎手にお話を伺った時、「兄弟子にいろいろ教えてもらってます」と言っていました。

周りからは「もっとちゃんと教えろ」って言われているんですけど(苦笑)。木之前も一生懸命頑張っているので、少しでも役に立てればと思います。自分が先輩たちに教えていただいたことを今は後輩に伝えていく立場になったのかなと。まだまだ僕自身も勉強ですけどね。

では、今後の目標を教えて下さい。

今は自厩舎のノゾミダイヤが頑張ってくれて、東海ナンバー1と言えるような位置にいます。これからどういうローテーションを進むかはわかりませんが、これからも東海の看板を背負えるような立場に居続けたいと思ってます。それから、リーディング争いは4人(3位今井貴大騎手、4位丸野勝虎騎手、5位安部幸夫騎手)が差なく競っていて、年末に向けてさらに熾烈な戦いになると思います。岡部さんがいない間、自分たちが盛り上げなければいけないと思っていますし、ファンのみなさんに1つ1つのレースで熱い戦いをお見せできるよう頑張ります!

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※インタビュー / 赤見千尋

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