オッズパークTOP > 地方競馬TOP > 地方競馬予想ブログ > ジョッキーインタビュー > 吉村 智洋 騎手(兵庫)

吉村 智洋 騎手(兵庫)

2016年01月13日

デビュー15年目を迎える兵庫の吉村智洋騎手。早い時期からトップ10圏内に入る活躍を見せていましたが、2015年は兵庫第4位と自身最高の順位を記録しました。さらなる飛躍が期待される今年、その胸の内をお聞きしました。

yoshimura01.JPG

2015年はこれまでで最高の勝利数(146勝・12月27日現在)を挙げていますが、何か飛躍のキッカケがあったんですか?

自分としては、この数字は物足りないというか、欲を言えばもっと勝てたと思っています。数字自体が伸びたのは、去年は(田中)学さんも木村(健)さんも休んでいた時期がありましたから、そのぶん(勝ち星が)転がって来たのかなという感じですね。ただ、僕は本当に人に恵まれていると思います。所属の橋本忠男調教師をはじめ、周りの方々に助けていただいたお蔭で勝ち星を重ねることが出来ているので。

橋本忠男調教師はどんな師匠ですか?

調教師としてはもちろんですけど、人間としても尊敬できる先生です。勝負に関して言えば、めちゃくちゃシビアですよ。レースに行ったら結果がすべてなので、負けたら次はないんです。だから、1戦1戦気を引き締めて乗るようになりました。でも、毎日頑張っているところも見ていてくれるので、それでチャンスをくれるんです。2013年に中央未勝利から移籍して来たエーシンプレジャーという馬がいるんですけど、その馬に関しては、毎日の調教だけではなくて、追い切りも装蹄する時期とかも含めてすべて僕と厩務員さんに任せてくれました。脚元の弱い馬で、調整が難しい面はあったんですけど、その馬に10連勝させてもらいました。

10連勝というのは大きいですね。

そうですね。なかなかそこまで連勝できる馬はいないですよね。本当に強い馬で、レースはいつも掴まっているだけで楽勝なんです。でも脚元が弱いから調整が本当に難しくて、毎日1週間先までの天気予報をチェックして、馬場のいい時に追い切りができるように調整していました。途中で長期休養もあったんですけど、去年の春に10連勝できた時はすごく嬉しかったです。この馬に巡り会うことができて、しかも先生に任せてもらえて、本当にいい経験になりました。

yoshimura02.JPG

吉村騎手といえばマクリのイメージが強かったんですけど、以前よりも先行するイメージに変わりました。

前はマクリが好きだったというか、きっちりマクれると気持ちいいし、カッコいいと思うんです。でも地方の小回りの中で、その戦法だけではトップは獲れないということに気づきました。マクって行っても勝ち切れなかったり、ゴール板過ぎてからスピードに乗っていたり......。脚を余して負けることがあって、マクリ一辺倒ではダメなんだと。結局、前々で進められた方が得だし、コーナーも1頭分でも内を回った方がロスがないですから。今は意識して前で競馬をするようにしています。

お手本にしているジョッキーはいますか?

園田には、木村(健)さん、(田中)学さん、川原(正一)さんというすごい人たちがいますからね。3人のそれぞれのいいところを盗もうと研究しています。3人とも持ち味が違うのですごく勉強になりますね。例えば木村さんだったらゴリゴリ剛腕で押し切れるじゃないですか。学さんはすごくキレイに乗ってくるし、川原さんは馬のリズムに合わせた騎乗をする。そういうところを盗んでいけたらと思っています。実際は言うほど簡単ではないですけどね。

今年デビュー15年目を迎えました。ここまで順調にステップアップしていますね。

本当に周りの方のお蔭なんですけど、僕自身、朝の調教を一番大切にやって来ました。頭数が一番多い時には、日付が変わったらすぐ、夜中の12時から乗り始めるんです。多い時で1日26頭乗るので、そのくらいの時間から始めないとお昼前に終わらないんですよ。

26頭?!20頭を越えると相当大変だと思いますけれども。

そうですね。でも、馬にたくさん乗らないと上手くならないですから。数をたくさん乗せてもらうためには、毎日の調教で頑張らないと。それに、園田の若い子たちはけっこうみんな乗ってますからね。頑張れるうちは、誰よりも多く乗っていたいと思っています。

でも、寒い冬の朝なんて...心が折れそうになる時はないですか?

もちろんありますよ。寒い日も嫌だし、雨の日も嫌だし。でも、そうやって毎日頑張っていると、見ている人は見ていてくれますから。そう思うと頑張れます。

本当に真面目ですね。

バカ真面目なんですよ(笑)。朝の調教というのは、レースと同じくらい大切だと思うんです。馬を仕上げることもそうですけど、例えば僕が寝坊して時間に遅れたら、26頭分のスタッフに迷惑を掛けるし、そのスタッフが担当している他の馬たちにも迷惑が掛かってしまう。そうすると一日大変だし、信用もしてもらえませんから。寝坊しないっていうことも大事にやっています。こうやってコツコツやって来たことが成績に繋がっているので、これからも体力が続く限り頑張ります。

では、今後の目標を教えて下さい。

今年は1000勝を達成するのが目標です(12月27日現在、935勝)。あと、最近重賞を勝てていないので勝ちたいですね。重賞はみんなが目指してくるレースなのでなかなか難しいですが、そういうところでも結果を出して、いつか園田のトップを獲りたいです!

-------------------------------------------------------

※インタビュー / 赤見千尋

←前ヘ 次ヘ→
記事一覧

[9]予想ブログTOP
[0]TOPへ