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高松 亮 騎手(岩手)

2016年04月28日

高松亮騎手は今年デビュー13年目。昨シーズンは岩手リーディング4位に付けたように、近年は騎手リーディング上位を安定して確保している。また、東海地区や兵庫など冬期間の期間限定騎乗にも積極的だ。今回は2年連続で挑んだ園田競馬場での冬季遠征の話を中心にうかがってみた。

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この冬も園田競馬で期間限定騎乗をしましたね。短い期間ながら成績も良くて、あちらでの評判も上々だったと聞きました。

小牧毅調教師が良い馬を用意して、自分に勝たせたいって待っていて下さったので、自分はそれに何とか応えようとがんばっただけですよ。去年行った時にも凄くお世話になったので今年は少しでもお返しって言うか、自分の力で何かできないかと思いながら行ったんですけど、結局今年もお世話になりっぱなしで。もう"感謝"という言葉しかないです。

その園田競馬に行ってみて、どんな事を感じましたか?レースの流れとか。

そうですね。例えばですけど、たいていの競馬場は"いいポジション"というのがそれぞれあると思うんですよね。馬場状態とかにもよるでしょうが、"ここの競馬場なら道中はこの辺にいて、どこから動けばいい"というのが比較的はっきりしていると。園田の場合は、それがレースによって変わってくるんですよね。それを素早く感じ取らないと良い結果にならないですね。

園田は自分も見ていて感じるんですが、ホント海千山千の騎手ばかりで、意外な展開になることも多いですよね。

ベテランの方も多いですしね。お世辞抜きで皆さん腕が良い。だから乗っていて少しでも注意をそらすと......みたいな緊張感がありました。難しい競馬場だと思いますよ。それもあっていかに素早くレースの流れを読み取るか?がカギだとも感じました。

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そんな中での1年目と2年目の違い、変化のポイントとすればどんな所が挙がりますか?

去年行った時は、他の騎手が作った流れに上手く乗って、他の騎手たちの隙を突いて・・・という形が多かったと思います。今年は良い馬・強い馬に多く乗せていただいたおかげで自分でレースの流れを作る事もできたのかなと。
さっきも話したように"この辺に付けていればだいたい大丈夫"。"こういう流れならこんな感じの展開になるだろう"というセオリーのようなものがない、他の競馬場の常識が通用しない競馬場ですから、強い馬に乗っていたおかげとはいえ、そういうところで自分のレースの流れを作る事ができたのは良い経験になった。勉強になりましたね。去年と今年で違うとすればそこかな。

では、また次回、園田競馬に乗りに行く機会があったら、その時はどんな"変化"を目標にする?

変化かあ。変化......。そうですね、ちょうど自分が帰る頃にあちらの騎手旅行があるんですよね。次はそれに参加したいです(笑)。
それはそれとして、そうですね。2年続けて行って感じたのは若手の騎手の成長、頑張りだったんです。自分もえらそうに言える立場ではないですが、自分より若い騎手たちが1年で凄く伸びていたのが自分にも刺激になったので、次行く機会があるなら、そんな若手の騎手たちに負けないように自分も成長していないとな、と思っています。

去年のシーズンとか今年のここまでとか、高松騎手の騎乗を見ていると園田に行った経験は活きているなと思う。

経験値を上げるのも遠征に行く意味って言うか、行った事による価値だと思うんですよね。勝ち負けとか騎乗技術だけじゃなく他の騎手の騎乗ぶりも見つつ、いろいろ感じたり考えたりして、地元ではできない経験を積んでくるという。その点自分は、園田では年齢的に年上のベテラン層と若手層の間くらいだったから、ベテランにも若手にも話を聞きやすい立場だったから良かったですよ。

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ビュレットライナー(2015年5月11日盛岡4R・1着)

さて高松騎手にはもうひとつ聞きたい事があります。ビュレットライナーなんだけども。本当に凄い馬だよね。

14歳になりましたがそんな年齢を感じさせないですね。今でも調教では掛かるくらいの勢いを見せるし、レースでも自分から前に行ってくれるし。乗りやすい馬ですよ。今年も、まずは無事に過ごして欲しいんですけど、やっぱり勝てたらいいなと思いますね。

高松騎手にとってビュレットライナーというのはどんな馬ですか?

いろいろな事を教えてもらった馬ですね。ひとつひとつのレースだけでなく1頭1頭の馬への想いとか。うまく言葉にしづらいんですけど、あの馬に出会った事によって馬の見方、馬の状態の判断の仕方みたいなのが勉強できたと。
高齢馬ですし、なるべく良い状態でレースに出したい、無事に走らせてあげたいと思うじゃないですか。じゃあどうすればいいか?どう接してやればいいか?を考えて。それが他の馬に対する時にも役立っている。馬の状態を見る時の観察力とか判断力とか。
だから、最近自分の成績が少しでも上がっているとしたら、それはライナーと一緒に戦ってきて自分が学べた事が活きてきたから......だと思っています。

いろいろ教えてもらった、と。

そうですね。ただ、よく騎手が言うじゃないですか。"この馬にレースを教えてもらった"。"この馬にレースでの仕掛けどころを教わった"みたいな。それとはまた違うと思うんですよね。レース以前の調教とか普段の接し方、過ごし方。1頭の馬に対する見方。そういう部分をビュレットライナーに教えてもらいましたね。馬の観察力って言うんですかね。そういう部分は本当に勉強になっています。

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筆者は、実は園田での高松騎手をまだ見た事がない。しかし現地からの高評価、好評はよく伝え聞いていた。
他地区への挑戦や馬との出会い、それが両輪となって彼の成長を促しているのなら、次の機会には園田へ足を運ばねばなるまい。

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※インタビュー・写真 / 横川典視

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