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山本 政聡 騎手(岩手)

2016年12月13日

ファンの皆さんは岩手競馬の山本政聡騎手と山本聡哉騎手は、前者が兄、後者が弟の兄弟ジョッキーで、さらに船橋所属の末弟・山本聡紀騎手を含めて"三兄弟ジョッキー"だという事は既にご存じだろう。

山本聡哉騎手は岩手の騎手リーディング・トップの座を確かなものにしつつある。一方の兄・山本政聡騎手も近年はコンスタントにシーズン100勝以上を挙げ、リーディングでも3位を確保している(12月6日現在)。

10月の山本聡哉騎手に続いて、今回は山本政聡騎手にお話をうかがった。

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まずは山本政聡騎手自身のことから聞きましょう。リーディング3位に付けていますが、その成績について。

そうですね、もう少し最初の段階で離されずに食いついていけていれば良かったですね。来年はもっと頑張りますよ。

弟の山本聡哉騎手もそうですが、ここ何年か成績が、グッと上がってきているように見えます。そのあたり、何かきっかけのようなものはありましたか?

んー、なんて言うんでしょう。最後まで脚を残しておくようにしているというか...。

乗り方を変えたということ?

乗り方は変わってないと思います。考え方じゃないでしょうか。展開をよく見て、馬と喧嘩をしないようにしてとか。必要な所でひとつひとつ気を付けてあげれば、それで結果も変わってくる。レースの流れの中のポイントポイントで、ですね。

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弟・山本聡哉騎手(左)とのワン・ツーも目立ってきた

これ、最後に聞こうと思っていたんですが、山本聡哉騎手とレースぶりが似てきていない? レースぶりというか、流れの乗り方っていうか。最近2人のワン・ツーが多いでしょう? 流れのつかみ方が似てきているんじゃないかと思って。

弟も展開を読んで乗るから、例えば"展開の中で目標にする騎手・馬"の狙いが同じだったりして、一緒のポジションを狙っていることは多いですね。自分が取りたい位置に行こうとすると弟もそこに来ようとしていて、一瞬先に入られて、自分が弾かれてそこを取れなくて"あっ!こいつ!"って思うことも(笑)。自分が行こうとして動くよりも一瞬早く動き出しているんですよ弟は。弟のそういうレース中の判断、"読み"は素早いなと思って見ています。

山本聡哉騎手にも同じことを聞いたけど、兄弟として相手を、どんなふうに意識していますか? 聡哉騎手は"特に意識はしていない。でも騎手としての駆け引きで負けたくない"と言っていました。

自分も、そうですね、特別に意識はしていないかな。ただ、弟の方が力がある馬に乗っていることが多いから、それを負かした時は嬉しいって言うか"やった!"と思いますね(笑)。

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絆カップで騎乗したナリタポセイドン(左)でナムラタイタンを破る

少し話を変えて。最近の山本政聡騎手とのコンビで気になる馬のことを聞きたいです。ナリタポセイドンで絆カップを勝ちましたが、あの馬にはどんな印象を持ちましたか。

距離は長い方がいいんじゃないでしょうか。瞬発力タイプというよりはしぶとく長く脚を使うタイプだと感じました。

もう1頭。コミュニティですね。5月のあすなろ賞を勝ってからは勝ち星から遠ざかっていますが(インタビュー後、11月21日に勝利)、その後も山本政聡騎手が手綱を取ってきてどんなふうに感じていますか?

一線級の中で2年間くらいずっと戦ってきて、年齢も6歳の秋ですから、若い頃のように1回走ったから急に変化するということでもないのかなと思っています。戦いながら徐々に良くなってきていると感じていますよ。

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コミュニティとのコンビでは重賞7勝を挙げている

さて、岩手競馬の今シーズンもあと少しで、ちょっと気が早いけど来シーズンの目標みたいなものを聞いてみたいと思います。今シーズンはここまで怪我とか騎乗停止とか無くて順調に来ていたから、来シーズンも同じように順調に成績を上げていって欲しいなと思うけれども、どうでしょうか。

怪我しないとかっていうことはそれだけレースでも安定して乗れているっていうことで、だからこそ成績も安定するのだから、やっぱり怪我をしないように心がけたいですね。

今シーズン中の通算900勝、来シーズンの1000勝達成も見えてきました。

900勝まであと17勝(インタビュー時点)なんですよね。このまま来シーズンの1000勝達成まで行ってしまいたいです。それから、櫻田浩樹調教師には凄くバックアップしてもらっていて、他の厩舎から騎乗を頼まれてもどんどん乗れって許してくれるんです。それに自分も応えたいから、自厩舎の馬で良い結果をもっと出していきたいとも思っています。自分の1000勝と櫻田浩樹厩舎の300勝を同時に達成できたらいいですね。

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青白のメンコが所属する櫻田浩樹厩舎のトレードマーク

弟の山本聡哉騎手がすでに通算1100勝を超えているのに兄の山本政聡騎手はまだ900勝手前なのか、と見られるかもしれないが、盛岡と水沢の在厩頭数の差を思えば(水沢の方が多く、自厩舎以外の騎乗依頼も受けやすい)、水沢に所属している山本聡哉騎手と盛岡に所属する山本政聡騎手の勝ち星の差を一概に比較できないし、むしろ山本政聡騎手はよく健闘していると言っていい。

実際、昨シーズンは山本聡哉騎手・村上忍騎手と互角に渡りあって一瞬ではあったもののリーディング1位に立った瞬間があったし、今シーズン序盤もしばらくの間は2位を狙う位置につけていた。

昨シーズンは山本聡哉騎手が騎手リーディングを獲得。弟がひと足先に頂点に立ったわけだが、その最大の刺客になるのは兄・山本政聡騎手なのかもしれない。

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※インタビュー・写真 / 横川典視

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