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山本 政聡 騎手(岩手)

2017年12月29日

今年(2017年)10月28日に地方競馬通算1000勝を達成した山本政聡騎手。弟の山本聡哉騎手がリーディングを守り続ける一方でやや目立たないように感じられるかもしれないが、山本政聡騎手も近年はシーズン100勝以上、リーディング上位をキープし続けている。今シーズンもリーディング3位をほぼ確実なものにしている山本政聡騎手にいろいろなお話を聞いた。

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1000勝を達成して少し時間が経ったところでお話を聞いているのですが、どうでしょう、達成感のようなものははっきりしてきた?

それほど大それた感想はないですけれど、やはり節目になる事ですからできるだけ早く達成したかったし、盛岡開催のうちに達成できて良かったです。

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2017年10月28日・盛岡第11レースで地方競馬通算1000勝を達成

2003年のデビューから500勝まで10年以上かかったのに、500勝から1000勝までは4年かからなかった。このペースアップぶりは見ていて凄いなと感じます。

良い馬に乗せてもらえているだけですよ(笑)

デビューから15シーズン目になりましたが、この間、自分自身が変わったとか成長したという部分はありますか。

変わったというか、考えないといけないことが増えたしうまくいかない事も増えた......でしょうか。昔よりもずっとたくさんレースに乗るようになったからそれだけ乗る馬のことや周りの馬のことも考えないといけない。乗る数が増えるということはそれだけ負けること、うまくいかないことも多くなるわけです。馬の能力をきちんと引き出してあげたいけれど必ずしも全部が全部うまくいくわけではなくて。だから自分はまだまだだなと、そう感じている時が多いです。

馬の力をきちんと引き出してあげる、というと?

よく"馬7・人3"と言うじゃないですか。その"3"の部分でどう乗るか。騎手としてはそこをできるだけ大きく使ってあげたい。"お前にはもっと力がある、もっと走れる"と馬に感じさせることができたらそれだけ力を出してくれる。

騎手が馬の力を決めつけてしまわない、みたいな?

自分も昔は"先行しなきゃダメ""良い位置獲らなきゃダメ""無理してでも前に行ってそれでバテたら仕方ない"とかそういうのにこだわっていたけど、もちろん時にはそういう乗り方も必要なんですが、今は、もっと馬の気持ちを考えてあげるとか、自分本位で競馬しないように、とか。

人間が人それぞれなように馬もそれぞれのペースの違いがあるから、そこを大事にして、余計な負荷をかけないようにして勝てるなら良いなと。

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コウセン号に騎乗して盛岡芝1000mのレコードを実に21年ぶりに更新

これは山本聡哉騎手にも聞いてみたんだけど、最近、兄弟で乗り方っていうかレースの流れの掴み方が似てきたんじゃないかと思う。兄弟でワン・ツーというのも最近多いでしょう? 兄貴の方はどう感じますか?

んー。似ている感じは......しないかな。弟が良い馬に乗っている事が多いじゃないですか。だからおのずとレースの中で目標になる。だからそういう結果になる......という事はあるかもしれません。

兄から見た弟はどんな騎手ですか?

そうですね、いろいろな意味で"巧い"なとは思います。例えば馬群の中でこの位置に行きたい、あそこのポジションが欲しい、と思った時にもうそこにいる。先にいる。そういう点は巧いなと思って見ています。

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絆カップ(11月5日・盛岡)ではタイセイファントムに騎乗し、ラブバレットを破って優勝。昨年の絆カップでもナムラタイタンを破って優勝しており"大物喰い"の山本政聡騎手だ

さて1000勝を達成して、さっきも言ったように最近のペースで行けるなら1500勝とか2000勝とかも決して遠い夢では無いと思うのですが、自身はこれから先はどう考えますか。

うーん。将来のことは、例えば何歳になったら騎手を辞めるとか、そういう事は考えていないです。身体の動きとかカンが鈍りはじめたら考えるのかなあ。今は、良い馬にたくさん乗せてもらっていますから、それを良い結果にできるようにしっかりやっていきたいしやっていこう......でしょうか。

あと、他所に乗りに行こうとか考えたりしない? 以前は冬場に荒尾に行ったりもしたけれど。1000勝したし、南関東で乗りたいって手を挙げれば行けないこともないと思うけども。

自分は牧場が好きなんです。牧場の仕事の流れが肌に合う感じがするし、馬を調教して仕上げていくのも好き。だから冬場は牧場に行きたいかな。

では最後にオッズパークの会員の皆さんにメッセージを。

これからも岩手競馬の応援をよろしくお願いします。

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昨シーズンの『オッズパーク杯ゴールデンジョッキーズシリーズ』では総合優勝。今年も上位に付けている

同じ競馬場で戦っている以上、どうしても兄弟が対比・比較されてしまうのだが、騎手の戦いぶりとして"似ている所がありながらも違う部分は明らかに違う"というのは非常に興味深い。

大雑把な言い方かもしれないが、"理論派"の弟に対し"天才型"の兄と表現できるだろうか。ここに収まりきらなかった話の部分も含めての印象なのでうまく伝わらないかもしれないが、自分はそう受け取った。そして、遠くない将来、岩手のリーディングを争うのは山本政聡騎手と山本聡哉騎手の二人ではないか。そんな想いも強くなった。この先の兄弟の戦いはどうなっていくのかも楽しみだ。

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※インタビュー・写真 / 横川典視

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