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浅井 康太選手

2018年12月26日

昨年のKEIRINグランプリ2017(平塚)で二度目のグランプリ王者に輝いた浅井康太選手(三重90期)。今年は1番車として戦い、11月には第60回朝日新聞社杯競輪祭を優勝。今年の振り返りとKEIRINグランプリ2018へ向けての思いをお伺いしました。

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山口:グランプリ出場おめでとうございます。

浅井:ありがとうございます。

山口:今年は2回目の、昨年度覇者として1番車で戦われました。振り返っていかがでしたか?

浅井:最初にグランプリを優勝した時(2015年京王閣)は、年が明けて2016年になってもとても調子が良く、勝っているときはとても気持ちが良かったです。このユニフォームが着られるのは光栄な事だと思いましたね。 ただずっと勝っていられる訳ではないので、半ばから負ける事も増えてきた時に1番車ユニフォームの重みを感じました。 その経験をしている事もあって、今年は負けている時の耐え方がわかったような気がします。1月2月は腰を痛めてしまい、しっかり自転車に乗れなかったんですが、2016年の経験が活かされて、なんとか耐えつつ対応出来たのが良かったです。

山口:一度目は勝てない時に葛藤もありましたか?

浅井:はい。1番車の重圧は自分が感じるだけではなく、周囲からも色んな事を言われます。自分は気にしないようにしていても周囲がそういう雰囲気だと、どうしても意識はしてしまいます。他の人の意見を聞くのは時として大切ですが以前の自分は聞きすぎてしまって、流され振り回されていたと思います。 今年はまずは自分自身を信じるというのを意識しました。見えないものに向かって努力や勉強をしていくことを、自分を信じて貫けたのが色々なことに繋がりましたね。ラインを信じるというのにも通じると思います。

山口:それは今年になってからですか?それとも2016年の重圧を経験した後からですか?

浅井:一度経験をしたからこそ、だと思います。 一度目にグランプリを優勝した時には「グランプリを優勝したい」という気持ちでやってきていたんですが、その翌年はすぐには結果が出なかったです。 だからこそ、その年は誰にも負けないくらい練習したし、しっかりトレーニングもした。僕の中で全てやりきって2016年のグランプリに臨んだんですが、勝てなかった。何が足りないかと考えた時に【心技体】の【技】と【体】の部分は人一倍ある、もしくは自分の中で自信がつくように練習をしたという結果があったんですが、【心】の部分はあまり考えた事がなかったなと思いました。 強い選手、例えば武田さん(武田豊樹選手・茨城88期)や村上さん(村上義弘選手・京都73期)は大人らしい考えを持っています。とても尊敬しているので、そういう所が自分とどう違うのか、他の自立した人はどういう考えを持っているかを自分なりに考えてトレーニングに繋げるようにしました。 そう考えた結果、自分に必要のないものはどんどん削いでいって、無駄なものを溜め込まないように出来ています。そういう意味で今年はうまく対応は出来ました。

山口:10月の豊橋記念から、競輪祭、地元・四日市記念と3連続で優勝されました。後半にピークを持っていくという意識はあったんですか?

浅井:全くないです。グランプリに対しても特に意識をして調整などはしないつもりです。これは僕の考え方なんですが、レースに行っている期間は、もちろんですが練習が全くできませんよね。月に斡旋が2回ある場合、一か月のうち10日前後は練習ができません。 なので僕は前検日までしっかり練習をするし、レースの次の日も通常の練習で追い込みます。特別な調整は意味がないのかなと思っています。 調整の日がもったいない気がするんです。競輪は年中無休ですから、常に1着を取れるようなトレーニングをして、常に状態を仕上げておくというのが僕の理想です。そういう意味では毎回ピークを持っていく、という意識ですね。 その中で結果が出ない場合もありますが、それは自分の中の原因を常に探して合わせていきます。

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山口:聞けば納得ですが、それを実践し結果を出すのは大変ですね。

浅井:そうですね。僕も一気に出来るようになった訳ではなくて、ひとつの動作、例えば座る、歩くなどの単純な動作について何時間も同じことを繰り返し、理想を体にしみこませています。常に自分で考え、その単純なトレーニングの積み重ねですね。

山口:体のケアについてはいかがですか?

浅井:マッサージとかは行かないですね。体がきれいに動いていると筋肉はほぐれているので疲れが残らない。なので前検日やレースの次の日からもしっかりしたトレーニングができるんです。無駄にほぐしすぎると逆に調子を崩してしまうので、マッサージやケアは全く行かないです。 後は、競輪は調子が良くても負けるんですよ。

山口:そうですね。展開やラインなどもありますもんね。

浅井:自分では調子が良いと思っていても負けた場合は混乱します。でも結果がどうこうではなくて、常に自分の状態をフラットに把握する。 感情の上下が激しいと気持ちもブレてしまいます。なので体のブレの前に、自分は心のブレを直さないといけないと思って、日々やっている途中です。

山口:競輪祭の時は脇本雄太選手(福井94期)との連携もありました。いかがでしたか?

浅井:強いですね。準決勝は脇本くんが捲りだったので抜けなかったですが、決勝戦で抜けたのは良いタイミングでした。平原さん(平原康多選手・埼玉87期)が捲ってきていたので、前に踏ませてもらいました。それで優勝できたのはたまたま上手くいっただけですが、競輪祭はしっかり自分の思うように動けて、走りきれた開催でした。

山口:後方からの捲りも凄いスピードでしたね。

浅井:しっかりした成果が出たと思います。同じようなレースとして地元の四日市記念の決勝でも8番手からの捲りで優勝することができました。 それは今年取り組んできたテーマの中の「後伸び」がうまく出たレースでしたね。今年は脇本くんを意識しながらトレーニングをしていたんですが、後手を踏んでも伸びてくるという体を作っている途中です。 あと気を付けているのは乗車フォームですね。美しい乗り方をすると体にも負担はかからないですし、結果として無理をしないという事は選手としての寿命も延びると思うんです。肉体的にはどうしても年齢を重ねてしまいますが、意識するだけで大きく違うはずです。

山口:グランプリもGIもとくに意識しないという事ですが、浅井選手の今の目標はなんですか?

浅井:そうですね......お客さんの期待に応える事ですかね。前までは「自分が!自分が!」というレースをしていて、自分だけが良い着を取るレースや、好きな所から仕掛けて好きなように走るという事をしていました。そうするとラインがバラバラになったりしてお客さんに迷惑を掛けていました。 お金を賭けてくれているので、期待に応える事が第一だと思ったんです。そのためには自分の事をしっかり見つめて、常に1着をとるための体を作ろうと。 僕の事を嫌いなお客さんもたくさんいると思います。でも自分が納得できるトレーニングをする、常に1着を取ろうとするその姿勢を見せると、もしかしたら見直してファンになってくれるかもしれない。純粋に期待に応えたいと、今はそう思っています。

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山口:今年の大舞台、KEIRINグランプリはどんな走りをしたいですか?

浅井:そうですね......お客さんの期待に応えられるのが一番なんですが、今はまだ考えていないです。僕が楽しく走って、お客さんが楽しく見てくれる競輪になればいいのかなと思います。

山口:他の8選手も全く気にせず、ですか?

浅井:そうですね。全く気にしません。気にするという事は、その人に主導権を取られているという事。自分の流れは自分で作らないと負けますから。 例え後方になったとしても、レースを動かしているのは自分だという気持ちです。人の動きを見てから動くのではなく、予測して考えてレースを支配していきたいですね。 後はお客さんにグランプリという大きい舞台を楽しんでもらって、その中で自分も楽しんで走ってしっかり締めくくってから、来年に向けてまた進んでいきたいです。

山口:貴重なお話をたくさん伺いました。最後にオッズパーク会員の方へメッセージをお願いします。

浅井:今年1年間、1番車で走らせてもらいました。しっかり結果が出たのは皆様の支えがあったからだと思っています。年末のグランプリは良いレースをしたいですし、来年にも繋がるレースにしたいです。これからも応援お願いします。

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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター/MC/キャスター/声優。
競輪関係では取手競輪中継司会、松戸競輪リポーターをメインに各競輪場で活動中。

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※写真提供:公益財団法人 JKA

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