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児玉 碧衣選手

2021年09月07日

8月にいわき平競輪場で行われたオールスター競輪でのガールズドリームレースを優勝したのは、児玉碧衣選手(福岡108期)でした。ガールズケイリン総選挙では5年連続でファン投票1位に選出され期待に応えました。
直前のガールズケイリンフェスティバルでは決勝に進むことができず、調子も心配される中、強いレースを見せた児玉選手に振り返りや気持ちの変化などをお伺いしました。

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山口:ガールズドリームレース、優勝おめでとうございました。

児玉:ありがとうございました。

山口:7月のガールズケイリンフェスティバル(函館)では苦戦されましたが、ご自身ではどう振り返っていますか?

児玉:函館の時は、実は目標を失っていて「何のために走ったらいいんだろう」と迷いがある中で参加しました。デビューしてからずっと決勝にのれていたんですが、その記録も途切れてしまい、3日間1着がとれないのも初めてでした。
その大敗で「私、やっぱりトップで走っていたいんだ」と気づけたんです。ガールズケイリンフェスティバルの成績だけを見ると残念な結果だったんですが、気持ちは「またもう一度頑張ろう」と前向きに思えたので、自分の気持ちとしては悪いことばかりではない開催でした。
また開催が終わってSNSを開いた時に、「1着も取れなかったし批判も多いんだろうな、それは見たくないな」と思って覚悟していたんですが、励ましのメッセージがとても多かったんです。「そういう時もあるよ」や「次は頑張ってね」など本当にたくさんの励ましをいただきました。
それで「頑張らなきゃな」と更に前向きになれました。

山口:そこからガールズドリームレースへ向けてはどうされたんですか?

児玉:ガールズドリームレースへ向けては、次は負けたくないという気持ちもありましたし、無我夢中で毎日練習をしていました。今までは「勝たなきゃいけない」という気持ちがあり自分を追い込んでいたんですが、それを一度捨てました。「楽しんで走ろう」と切り替えたんです。そのおかげで緊張も普段よりしませんでしたし、終わってみても「楽しく走れたな」と思いました。

山口:うまく切り替えられたんですね。

児玉:はい。あと、大きな気付きもありました。ガールズケイリンフェスティバルの初日は妹弟子の尾方真生(福岡118期)と走ったんですが、私はいつも真生にアドバイスをしている立場です。練習も一緒にしているので、誰よりも彼女の強さを知っているし肌で感じています。
いざレースで『姉弟子』と『妹弟子』の立場で走るとなると「姉弟子として負けられない」と凄くプレッシャーを感じ、口から心臓が飛び出るくらい緊張をしました。
ガールズドリームレースは逆に、自分が小林優香さん(福岡106期)の妹弟子という立場で、「勝たなきゃいけない」という気持ちよりも、チャレンジャーとして姉弟子の優香さんの胸を借りるつもりで走れました。
そこで、妹弟子として走るときの気持ち、逆に姉弟子として走るときの気持ちを比べたときに、圧倒的に『姉弟子』として走るときのメンタルが弱いと気付きました。その部分はもっと強化をしていかなければいけないですね。

山口:ガールズドリームレースの共同会見の現場に私もいたのですが、「女王だけどチャレンジャーとして」という言葉を仰ったときに、また新たな気持ちで臨んでいるんだなと感じました。

児玉:はい、そんな気持ちでしたね。

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山口:ガールズケイリンフェスティバルから静岡へ追加参加されそこでは完全優勝されましたが、その優勝というのは自信を取り戻すきっかけになったんでしょうか?

児玉:気持ちを立て直すという部分でも脚力を再確認する意味でも、走って良かったなと思いました。

山口:そうでしたか。今年のガールズドリームレースも、ガールズケイリン総選挙1位、しかも5年連続での選出でしたが、いかがでしたか?

児玉:毎年毎年、今年も1位になるなんて思わなかったと言っていますが、今年もそうですね。とてもびっくりしました。特にファン投票期間中の5月京王閣でのガールズケイリンコレクションでは優勝できていないんです。負けたとしてもこんなにたくさんの方が私を評価してくれているんだなと思いました。
ドリームレースに関しては昨年、一昨年と2年連続でゴール前抜かれて2着だったんですが、今年は初めてビッグレースを優勝したいわき平でのドリームレースだったので、優勝できたことで私に投票してくれた方に恩返しができたと思います。

山口:初めてのタイトルの時は笑顔の優勝インタビューでしたが、今回は涙もありました。3年間でたくさんの変化があったんですね。

児玉:そうですね。最初にガールズケイリンフェスティバルが終わるくらいまではずっと悩んでいたという話をしたんですが、実は師匠にも泣いて相談するくらいだったんです。モチベーションの持っていき方がコントロールできずに「どう頑張っていいかわからない、目標もないのに練習をしたくない。トップでいたいと思わない」と泣いていました。でも師匠は「でもやるしかないやろ」と励ましてくれます。
私の中では「やるしかない」のひとことではまとめられないくらいの葛藤があったし、自分自身でも追いつめていたんでしょうね。そのメンタルのまま参加した函館で1勝もできず、決勝も上がれなかったことで「トップで走っていたい」と気付いたんだと思います。変化はたくさんありましたね。

山口:気分が沈んでしまった要因は思い当たるところはありますか?

児玉:オッズパーク杯ガールズグランプリを3連覇してやりきった、という気持ちが大きかったのかもしれません。前人未踏と言われ「この成績を残せたし、もう良いんじゃないかな」と思ってしまったんでしょうね。

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山口:そうだったんですね。でもまた新たな気持ちで前へ進めそうですね。以前もモチベーションが保てなかった時期があったと伺いましたが、そこからも復活してきましたしね。

児玉:そうですね。ガールズケイリンを始めて、初のタイトルが3年前いわき平でのガールズドリームレースでした。そのレースが自分にとっての1つめのターニングポイントで「自信を持って走れば勝てる」と気付けたレースでした。
そこからグランプリを3連覇してからは悩んでしまって、2つめのターニングポイントはガールズケイリンフェスティバルで「やっぱりトップで走っていたい、強いままでいたいな」と気付けました。
私は表向きには「お金が大好き、お金が欲しい」と言っています。それはもちろん本心です。でもフェスティバルで思った「トップで走りたい」という気持ちは、お金だけじゃない選手としてのプライドを自分に感じました。「私、こんな気持ちも持っていたんだ」と新しい自分に気付いたんです。それに気付けたからドリームレースも凄く頑張れたんだと思いました。

山口:尾方選手は特にいつも一緒に練習している存在だからこそ、一緒に走る時にプレッシャーに感じるんでしょうか?

児玉:真生はたくさん練習するんです。私は逆であまり練習量は多くありません。ガールズケイリンフェスティバルまではそのことを特に気にせずに「練習したければすれば良いよね」と思っていました。
でもフェスティバル後は「強い選手はやっぱりたくさん練習するんだな。真生も練習しているんだから自分もしないといけない」と、特別にメニューを増やした訳ではないですが、毎日しっかり練習をしていました。

山口:ドリームレースは姉弟子の小林優香選手がピッタリ後ろをマークしていましたが、その状況よりも妹弟子の尾方選手との対戦がプレッシャーに感じたんですか?

児玉:勝手に私だけが思っていることかもれしませんが、妹弟子が姉弟子に負けても「まだ姉弟子には適わないよね」と思われるのに対して、妹弟子が勝った場合だと「やった!姉弟子に勝てた!」とか周囲の感じ方が違うと思うので、私は妹弟子と走る方が緊張するし、プレッシャーを感じるし、プライドも持って走っています。その他いろんな重圧がかかっているんでしょうね。
ドリームレースは逆にその重圧を優香さんが全部背負ってくれていたので、私は緊張せずにのびのびと走れたんだと思います。
私は真生と一緒に走って、『姉弟子として走る重圧』がどんなに大変か気付けました。その直後にドリームレースで優香さんと走れたから「今まで優香さんは私と一緒に走る時にこんな気持ちで走っていたんだ」とも思えました。勝手に私がそう感じているだけかもしれませんけどね。そう思ったら、「やっぱり優香さんは凄いんだな」と実感しました。

山口:その新たな気付きを経て今後、尾方選手とは何度も対戦もあるかと思いますがいかがでしょうか。

児玉:プレッシャーを感じないように、というのは無理だと思います。でも緊張やプレッシャーをプラスに考えて、これからはポジティブな気持ちで臨みたいです。姉弟子として走る時のメンタル強化をしていかなければいけませんね。

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山口:貴重なお話を伺えました。では今後について質問させてください。 今年のガールズグランプリは、ご自身の初めてのグランプリ優勝のバンク、静岡で行われますがいかがでしょうか?

児玉:初めてグランプリをとったバンクなので、今年も優勝したいと思います。まだ少し時間はあるし、遠すぎる目標を立てても自分の気持ちがどうなるかわからないので、まず目の前のレースを一走一走走り切り、それが4連覇に繋がるようにしたいですね。

山口:現在の賞金ランキングは2位ですが、それは気にならないですか?

児玉:はい、特には気にしていません。最終的なランキングが勝負なので。

山口:今後への強化ポイントは、先ほど仰っていたように気持ち面が大きいですか?

児玉:そうですね。メンタルを強化していきたいです。

山口:話が変わりますが、先日は地上波の番組に出演されていましたが、反響はいかがでしたか?

児玉:SNSのフォロワー数がすごく増えました。メッセージにも「ガールズケイリンは知らなかったけど、ファンになりました」や「男子の競輪があるのは知っていたけど女子があるのは知らなかったので、これから応援します」など、今まで知らなかった方からの反応が多くて「私がこうやってガールズケイリンを盛り上げられるのは良いな」と思いました。なのでもっと番組などでガールズケイリンをPRできるようになれれば良いですね。

山口:ぜひPRしていってください。 それでは今後への意気込みを、オッズパーク会員の皆様へお願いします。

児玉:自分がどんな結果を出しても変わらずに応援してくださるファンの方がいることは、SNSのコメントなどですごく伝わってきます。そのファンの方を裏切らないように一走一走目の前のレースを集中して走って、それがガールズグランプリ4連覇に繋がるように一生懸命頑張りたいです。ぜひ今後も応援してください。

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※インタビュー / 山口みのり
三重県松阪市出身。フリーアナウンサー/ナレーター。
各競輪場で中継司会やリポーター、イベント司会などを担当。

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※写真提供:公益財団法人 JKA

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