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平原 康多選手

2021年11月16日

第二の故郷 新潟の弥彦競輪場で行われた「第30回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」 を制した平原康多選手(埼玉87期)にお話を伺いました。

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大津:寛仁親王杯優勝おめでとうございます。

平原:ありがとうございます。

大津:久しぶりのタイトル獲得です。

平原:周りからは4年8か月振りと言われますが、自分としてはずっと目の前の一戦一戦を頑張ってきたので、そんなに月日が経ってとか気にしてはいなかったです。

大津:弥彦での優勝です。

平原:弥彦には特別な思いがあります。中学校二年生まで住んでいたところですし、去年の弥彦記念は優勝できたのですが、それまでは呼んでもらっても、ずっと漢字続き(落車や失格)のレースで良い結果を残せませんでした。
親戚の方を筆頭にたくさんの方々に応援してもらっていましたが毎回毎回そういうところばっかり見せてしまっていたので、一つ結果を残せて良いところを見せるところが出来たのは何倍も喜びがありました。

大津:何度となくGIの決勝戦を経験されていますが、今までと気持ちの変化はありましたか。

平原:特別どうというのはなくて、自分の与えられた位置で自分のやれることを悔いのないように精一杯やろうと思ってました。

大津:ご自身のコラムで「今年こそはGIタイトルを獲得する」と書かれてましたが有言実行となりました。

平原:そうですね、それが本当にそうなったので良かったです。

大津:GIタイトルはこれで8度目となりました。

平原:過去何回優勝というのは正直過去でしかないので別に過去と比べてどうとかっていうのはないのですが、目の前のレースに向けてやってきたことが報われたことが嬉しかったです。
GI優勝しても次の日からチャレンジャーという姿勢は変えず、受け身の姿勢は崩さないようにしています。

大津:平原さんとしては弥彦でのGI参戦は8年振りとなりましたが、弥彦での開催が決まった瞬間の気持ちはいかがでしたか。

平原:その時は正直前橋競輪場よりは良いなくらいの気持ちでした。前橋は難しいバンクなんです。
僕は400バンクで走る競輪のほうが慣れているので、前橋よりはしっかり自分の競輪が出来るなって感じていました。

大津:今シリーズを迎えるにあたっての状態面はどうでしたか。

平原:たった二か月なのですが8月から落車もなく、それまでの怪我も癒えてきて、やっと身体が自分の思うように動くようになり、自転車も進むようになってきたなっていう手応えがありました。
前場所の熊本記念からの上積みもあったように感じています。

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大津:ではシリーズを振り返っていきます。初日の日競選理事長杯は単騎でのレースとなりました。

平原:勝負どころで結果的に9番手になってしまい、そこは読み違えました。

大津:平原さんが9番手にいるのは見ていても意外でした。

平原:そうですね、さすがにあそこでは勝負圏のない位置でしたね。
自分で選んだ位置だったので何とも言えないんですが。

大津:最後はそこから捲って4着に入りました。捲っていった手応えはいかがでしたか。

平原:不利な位置から踏み上げたわりには自転車の進み感が大分良くなっていたので、二走目以降もいけそうな感じはありました。

大津:準決勝では地元の諸橋愛選手(新潟79期)を連れての競走でしたね。

平原:責任感のある位置でした。ある程度は作戦会議で諸橋さんと話していたのですが、いざレースが始まってみると思っていたレースにはならなかったです。
その中で上手く前に前に攻められたのは良かったですね。

大津:渡邉一成選手(福島88期)が仕掛けた際に、上手く追い上げてさすが平原選手という動きがありました。

平原:あれは本当にたまたまです。

大津:渡邉選手の後ろを取り切って、最終周回では何度も後ろを振り返っていましたが、何を確認していたのですか。

平原:太田竜馬(徳島109期)がどこから飛んでくるかなと思い、何度か後ろを見ました。
太田の捲りに最悪出なければいけないと考えていましたね。

大津:その太田選手との捲り合戦になりましたね。

平原:太田がかなり良いスピードで捲っていたので自分で張りに行く形になりました。

大津:そこを制してゴールした瞬間というのはいかがでしたか。

平原:そうですね、一着でゴールしたんですが自分の車輪も壊れてて車体故障をしていたので、失格かもしれないという考えもありました。
ただ、それでも諸橋さんが決勝に乗ってくれたので役目を果たせたかなと思い、「諸橋さん良かったですね。」と言葉をかけました。

(審議の結果、平原選手はセーフで決勝進出)

大津:平原さんから諸橋さんにお声をかけたとありましたが、諸橋さんから平原さんには何かありましたか。

平原:諸橋さんは、その時はもう涙を流してました(笑)

大津:その姿を見てグッとくるものもあったんじゃないですか。

平原:あれはきますね。(諸橋選手自身)頑張って良かったなって思える瞬間だし、諸橋さんは相当努力して頑張って来られたんだなって感じる瞬間でしたから。

大津:これまで長きに渡り平原さんと諸橋さんは一線級で一緒に戦ってきたからこそのお言葉ですね。

平原:凄い諸橋さんの思いが伝わってきました。だからこそ諸橋さんと一緒の時には頑張れるんだろうなって改めて感じました。

大津:場内のお客様からの反応はいかがでしたか。

平原:本当に凄かったです。ああいった瞬間を味わえるっていうのは競輪選手をやってて良かったなって思えますよね。

大津:決勝進出を決めた時のお気持ちを教えてください。

平原:涙が出てきました。諸橋さんと決勝を走れるし、弥彦は僕も非常に思い入れがある場所でしたから。

大津:決勝は北日本勢が4車、そして吉田拓矢選手(茨城107期)率いる関東勢が3車という構図になりました。
スタートはどのように考えていましたか。

平原:北日本が前を取りたいんだろうなって思ってました。その中で前を取られたら厳しいので、自分たちも前が良かったのですが新田のダッシュが良かったのでスタートを北日本勢に取られてしまいましたね。
前を取れない場合は後ろから、どのように仕掛けるかだけでした。

大津:吉田選手には何かレース前に伝えていたのですか。

平原:ヨシタクは競輪選手として色々積み重ねてきて今の地位まで登り詰めてきている選手なので、僕がアドバイスしなくてもやるべきことを分かってる選手なんですね。
僕が「こう言おう」と思う前に、僕に発信してくるし、トップ選手になったなって感じますね。

大津:新山選手が前から突っ張り、赤版でペースが上がった時にここでも平原選手の判断力が光りました。

平原:隙があれば援護していきたいという気持ちが自分の中にあったので、新田の後ろを確保してヨシタクを迎え入れたって感じです。

大津:どこに行けば勝機があるか自分の身体が覚えている、というのを過去にコラムで書かれてましたが、そのような感じですか。

平原:今回のレースに限っては上手くいきましたけどあのような展開で幾度どなく失敗もしてきてるんで、そうした経験が活きてきてるのかなって思います。
無駄なレースというのは無いと僕は考えていますから。

大津:最終の二コーナーでは新田祐大選手(福島90期)の番手捲りを自ら追走し直線勝負となりました。

平原:新田がずっと蛇行しながら走ってたのでタイミングが取りづらかったのですが、結果はとにかく思いっきり踏まないと諸橋さんにも優勝の権利がないし、思いっきり踏もうってくらいの気持ちでしかなかったですね。

大津:諸橋選手のコースもきっちりと作っているように感じたのですがいかがですか。

平原:そうですね、僕は締めずに外々で踏んでいって諸橋さんのコースを作って行ったら新田が寄ってきたっていう感じです。

大津:最後はゴール前争いを制した感覚はありましたか。

平原:ゴールした時は僕しかいなかったので優勝したってのは分かりました。

大津:ゴール後はガッツポーズもありました。

平原:諸橋さんが落車してたのでガッツポーズしないほうがいいかなって一瞬思ったのですが、ホームで親戚の方たちが応援してくれていましたし何もしないのも申し訳ないし、自分の喜びもあったのでガッツポーズをしました。

大津:今年は怪我もあり苦しい時期もあったかと思うのですがいかがですか。

平原:特に6月に練習中に落車してしまった肘の骨折が尾を引いてしまったので「今年はもう厳しいな」「また来年頑張ればいいか。」って自分の中で気持ちが切り替わった時に、なんかこう肩の荷が下りて、その時に宿口(宿口陽一選手・埼玉91期)が高松宮記念杯競輪で優勝して余計に気持ちが楽になったというか、変な責任感がゆっくり消えたんですよね。
その部分がレースにとってプラスになったのかなって思えました。

大津:今年はオールスターでファン投票一位にも選ばれましたし、ファンの方も非常に喜んでらっしゃるんじゃないですか。

平原:怪我をしていた時期もあったので一位というのは驚きでしかなかったのですが、応援してくれる人が本当に多いんだなって思えて、遅くなりましたがGIを優勝して恩返し出来たことが嬉しいです。

大津:吉田選手や眞杉選手(眞杉匠選手・栃木113期)、関東勢の後輩の活躍はどのように感じていますか。

平原:意識の高い選手が出てきてくれて、彼らがどう思うかっていうのは分からないですが、超一流の競輪選手に育ててあげられるかっていうのは、自分たち先輩がどう導いていけるかですよね。そこは自分たちの責任もあるので、これからも自分なりにアドバイスを出来る範囲でしていきたいです。

大津:宿口選手がGIタイトルを獲得後に西武園競輪場で選手から胴上げされてましたが平原さんも胴上げされましたか。

平原:いやいやいや、自分はそういうキャラじゃないので(笑)宿口の場合はGI初タイトルというのもありましたからね。

大津:これで宿口選手とグランプリ出場が決まりました。

平原:20年以上付き合いのある後輩ですし、まだGPを走ってないから何とも言えないですがこんなこともあるんだなって思いました。

大津:次走小倉の競輪祭に向けて意気込みをお願いいたします。

平原:GIを優勝するというのを日々掲げて頑張っているので競輪祭でもタイトルを獲れるように頑張りたいですし、関東勢から一人でも多くグランプリに乗せられるように自分の役割を果たしたいですね。

大津:最後にオッズパークの読者の皆様にメッセージをお願いします。

平原:おかげさまで寛仁親王杯で優勝することが出来ました。 競輪祭もグランプリもありますが、どちらも優勝できるよう頑張りますので応援よろしくお願いいたします。

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※インタビュー / 大津尚之(おおつなおゆき)
ソフトな見た目と裏腹にパワフルで安定感のある重低音ボイスが魅力。
実況、ナレーション、インタビュー、俳優など活躍の場は多岐にわたる。

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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社

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