飯塚オート「第43回SGオールスター・オートレース(SG)」 モトロト・通常賭式発売中!  浜松オート モトロト・通常賭式発売中!
オートレース選手インタビュー
お客さんに喜んでもらえるように。そして、師匠を超えて親孝行を。|佐藤 大地 選手
2021年6月29日

浜松所属の34期。6月に浜松アーリーレースでデビュー初優勝を飾りました。走路温度が高い中行われた優勝戦。どんな気持ちでレースに臨んだのか。そして、初優勝から今後のレースの事、大切にしていることなど、お話しをしていただきました。

(取材日:2021年6月18日)

インタビュー / AKI

daichi_s_20210530_02.png

AKI:デビュー初優勝おめでとうございます。

佐藤:ありがとうございます。

AKI:今のお気持ちはいかがですか?

佐藤:もちろん優勝出来たことは嬉しいんですが、欲を言えば師匠の浅野さん(浜松25期:浅野浩幸選手)がいるところで優勝したかったです。ウイニングランの前の写真撮影で一緒に写真を撮りたかったです。けど、師匠からすぐに連絡がきて「おめでとう」と言ってもらいました。

AKI:浅野選手も喜ばれてたんじゃないですか?

佐藤:はい。めちゃくちゃ喜んでくれました。

AKI:完全優勝でした。車の状態はかなり良かったんじゃないですか?

佐藤:そうですね。GIゴールデンレース(5月12日〜16日)でヘッドを替えてからよくなりました。地元の浜松はだいたいセッティングが決まっているんですが、優勝戦は気合を入れて何度もエンジンかけながら整備をしていました。レース前に納得がいくエンジン音になって、試走タイムも出て。"この音で良かったんだなぁ"と手応えがありました。

AKI:手応えを感じながらのレース。まず、スタートはいかがでしたか?

佐藤:思ったより前の交川さん(浜松33期:交川陽子選手)につまらなかったという感じです。優勝戦ということもあって少し置きにいった感じになってしまいました。100%のスタートではありませんでした。

AKI:レース道中はいかがでしたか?

佐藤:レース前から交川さんを捲るのは難しいと思っていました。交川さんはコースが大きい方なので、さらに大きいコースは厳しいと考えていました。けど、まだ車をうちに向けて捌くということに自信がなかったので、序盤から外のコース決め打ちでいきました。内、懐に入れるスペースがあることは分かっていたんですが、慣れないことをするとダメだなと思って。なので、まずは離されない様にすることを意識しました。最後捲りにいくところは自分自身もいっぱいいっぱいでしたが、タイヤが凄く良くって助けられました。準決と同じタイヤで2走目だったんですが良いタイヤでした。

daichi_s_20210530_01.png

AKI:交川選手を捲ったあと、先頭に立ってからはどうでしたか?

佐藤:交川さんを捲る前に、仲口さん(浜松24期:仲口武志選手)のフロントタイヤが見えて。なので、ずっと後ろに誰かがいると思っていました。ラスト一周に入って、内しめようかと思ったんですが、熱走路で後ろも厳しいと思い自分の走りたいコースを走れば大丈夫かなと思っていました。

AKI:後ろの展開を考えたりと、冷静に走れましたか?

佐藤:交川さんが目の前で滑らせてるところを見て限界かな?と思ったり、色んなことを考えながら走れました。気持ち的には余裕を持ってレースをすることができました。けど、緊張しましたね。試走タイムも出て「俺から売れちゃうよなぁ。」と。自分もオートレースの車券を買っていた人間で、3着以内に入らないと意味がないと思っていて。なので、試走が出て人気にも関わらず、連に絡めないとか、ギリギリで差されて2着とかになると自分が負けて悔しいよりも、自分が負けたことによって高配当が出る事が悔しいです。なので、自分がガチガチの人気で3連単3桁とかの配当を出せた時は嬉しいです。人気に応えれたということなので。

AKI:今回、人気に応えての優勝でした。ゴールを駆け抜けた時に気持ちはいかがでしたか?

佐藤:「おぉ!?嘘だろ!?外から差されてないよね?本当に優勝したんだ...」という感じでした。すぐに実感がある感じではありませんでした。ゴールチェッカーを受けて、入場門のところに兄貴達が自分に向かって拍手をしてくれてる姿が見えたんで、そこで「あ、じゃあ俺1着なんだ。」と実感することが出来ました。

AKI:初のウイニングランはいかがでしたか?

佐藤:もう少しゆっくり走れば良かったです(笑)自分の中ではゆっくり走ってるつもりだったんですが、お客さんが金網越しに撮ってくれていた動画を見たんですが一瞬でした。駆け抜けて行っちゃってました(笑)なので、次優勝出来た時はめちゃくちゃゆっくり走ります。

AKI:5月末から始まったばかりのアーリーレースでの優勝。通常の時間の開催とは何か違いはありましたか?

佐藤:やっぱり、優勝戦の時間帯が違うことですね。前から逃げる展開が作れる状態、走路温度に助けられる部分がありました。整備面では変わることはなかったんですが、前から逃げる展開の自分からすれば熱走路で後ろの選手が厳しいという部分が気持ちの面で大きかったですね。優勝戦の時間帯が自分にとっては良い材料になりました。

AKI:浜松はセッティングもだいたい決まってきているというお話でしたよね。

佐藤:そうですね。季節の変わり目、暖かくなりだしたくらいから徐々に安定はしてきています。夏場はこのままの状態で乗り切れるかなぁという感じです。他のレース場に関しては、あまりデータがなくて。実は1級乗り出してからの成績が散々で。その散々の時に遠征に行っていて。ただ、アーリーで優勝する前の節に伊勢崎を走って、着もタイムもそれなりに良かったのである程度の方向性は見えています。

AKI:整備面ではどうですか?

佐藤:1級車に乗りたての頃は2級車の感覚で整備をしていたんですが、それが根本的に違いました。同期の中では2級車の頃から整備をしていた方なんですが、2級車の音の感じで整備をしても全然ダメ。自分なりに良い音が出たと思っても浅野さんに音を聞いてもらうと「これじゃダメだ。練習に行く気にもならない。」と言われたり。最初はそんな感じでした。けど、伊勢崎で同期の野本(伊勢崎34期:野本佳章選手)が優勝した時、自分も伊勢崎にいたんでエンジンの作り方を相談したり、野本のエンジンを握らせてもらったりして。「良いエンジンはこういう音なんだ。」という音をベースに整備をする様にしたら、少しずつ着が取れる様になりました。その後、GIでパーツ替えて優勝できた感じです。1級車のエンジンの良い音を知れたことが自分のターニングポイントだと思います。

AKI:2級車からエンジンを積極的に扱っていたんですね!

佐藤:はい。しょっちゅうエンジンを扱っていました。エンジンのことを早く覚えていきたいと思っていたのと、浅野さんが「好きな時に好きなことをやりなさい。」という方針の方で。「2級車でもエンジン下ろしたい時は手伝うから。」「ある程度のエンジンでレースに行かないと、グリップで無理して突っ込んで落車に繋がる。6、7割のエンジンは保てるように整備しなさい。それで練習に行きなさい。」と言われていました。これは、最初の頃に言われました。それを守ってある程度のエンジンで行けるように。良いタイムが出てもヘッドを扱ったりしてレースに行く様にしています。前の日と全く同じということはあんまりないです。扱いすぎて壊してしまうこともあるんですが、それも経験だと思います。

AKI:浅野選手からかなり密に指導を受けている感じですね!

佐藤:そうですね。同期の中でも仲が良いと言ってもらっています。浅野さんじゃなかったら無理でしたね。自分は結構すぐに凹むタイプで。メンタルがお豆腐(苦笑)ちょっと前までは試走が出ないだけで落ち込んだりしていたんですが、浅野さんに「もっとこうしたらタイムが良かったんじゃないの?前に詰まってたから実際はもっと良いタイムだったんじゃない?ポジティブに考えたら良いじゃん。」とぽろっと言われてから考え方を変えました。それから、気持ち的に楽になったというか、ピットでも考えすぎることがなくなりました。なので、整備面然り、メンタル面然り、色々教えてもらっています。

AKI:今の1番の課題はなんですか?

佐藤:人を抜くことですね。2月に内から捌こうとして人を落としてしまったことがあって。そこから、頑なに外一本にしてる感じで。なので、まずは人の内に切り返す勇気を持つことですね。練習では内を向ける練習を、宏和さん(浜松32期:鈴木宏和選手)がしてくれることがあります。人のどこにつけたらいいか、どのように三角きればいいとか、考えながらやっています。レースでは何台も走っているので、前の前まで見て捌いていけるように。まだまだなので、しっかり練習して自信を持って走れるようになりたいと思っています。

AKI:雨、湿走路に関してはいかがですか?

佐藤:ダメですね。雨はそもそもの出走回数が少なくって。浜松は雨が降らないし、降ってもすぐ走路が乾いてしまって。なので、他場で雨が降るとてんやわんやしてしまいます。治郎さん(伊勢崎30期:田村治郎選手)とか、北渡瀬さん(伊勢崎25期:北渡瀬充選手)に雨のセッティングとかコースとかを教えてもらっているんですが、実際に実践する機会が全く無くって。なので、雨の時に一つ一つ実践していきたいと思います。

AKI:スタートに関してはいかがですか?

佐藤:スタートは研究中ですね。比較的に切れてる方で同期と並んだ時は先行できるんですが、ばらつきがあります。なので、安定して切っていけるようにするのが第一ですね。レースだと気合入れ過ぎて浮かしてしまったりするので、パーツ替えたりしながら研究をしています。同ハン最内に置かれたらしっかり先行できるようにしていきたいです。スタートの切れの安定、向上を目指して頑張ります。

AKI:目標はありますか?

佐藤:目標は師匠の浅野さんの後ろから走ることが目標です。それが1番の親孝行だと浅野さんにも言われたので。"親父を超えることが弟子の1番の親孝行"と。1番最初の目標です。その先は、記念を取りたいとかよりも、お客さんに安心して買ってもらえるようになれれば良いですね。自分を流していれば取りあえず連に絡んでくるだろうというような選手になりたいです。お客さんに信頼される選手になることが基本の目標です。

AKI:デビューして丸2年が経ちましたが、どんな2年間でしたか?

佐藤:長く感じましたね。決して早くなく、かなり濃い2年間でした。選手になる前からオートを見てましたが、2分間のレースのための準備がどれだけ大変かを身にしみて感じました。後、自分は川口でレースを観ていたんですが、今でも川口で走る時はふわふわします(笑)「俺、あそこから観てたなぁ」とか。

AKI:選手になりたいと思ったきかっけはなんですか?

佐藤:元々は人と違うことがしたいと思っていて。選手になりたいと思うようになったのは高校生ぐらいです。選手になる前はテレビ関係の仕事、大道具をしていました。大道具から選手というのも珍しいと思うんです。もちろんオートを見ていてかっこいいという気持ちもありました。後は、自分がオートを見るようになった時に摩弥さん(川口31期:佐藤摩弥選手)がデビューした時で。同じ苗字で、女性で、あれだけ注目されて結果残して。他にも上位級の選手を知っていたんですが、衝撃を受けたのは摩弥さんです。摩弥さんを見てからふっとオートレーサーになりたいと思う様になりました。ピンと来た感じです。1回目の試験でいいところまで行ったんですが落ちてしまって。2回目でダメならもうダメなんだろうと思っていたんで受かって良かったです。色々きつい事もありますが、休みの日もエンジンのことを勉強したりしてるので、やっぱりオートレースが好きなんだろうなぁと思います。

AKI:同期が先に活躍する中で、焦りはありませんでしたか?

佐藤:2級車の時は比較的同期の中では後ろから走っていたので焦りはなかったんですが、1級車になってから優出してないのが自分含めて2、3人しかいなくて。舐めてたわけじゃないんですが「1級車はパワーもあるしポンポン勝てるんじゃないかな?」と思っていて。けど、実際に乗り変わったら全然ダメで。どん底を見ました。1級車になってから焦りましたね。なので、この前優勝した時も「やっと優出できた...」という感じでした。2級と1級は本当に違います。1級車は特にパーツの良し悪しがはっきり出やすいです。よくないパーツにも当たりましたし。なので、今回の優勝は気持ち的にかなり楽になりました。

AKI:今後の活躍も期待しています!

AKI:それでは、最後にオッズパーク会員の皆様にメッセージをお願いします。

佐藤:自分がオートレースをお客さんとして見てたからこそ、連に絡みたいと思いながら毎レース走っています。いつかは安心して買ってもらえるように、今は捌きやメンタルを色々覚えていきたいと思います。そして、1番良い方法を見つけていけるように手を動かして、レースに勝つのはもちろん、お客さんのためにレースをして喜んでもらえるように頑張ります。

(写真は浜松オートfacebookより)

インタビュー / AKI

福岡県宗像市出身のタレント。福岡でテレビ番組やイベントMCなどで活躍中。飯塚オート3代目「勝利の女神」。飯塚オートでは、AKIのAKIらめない予想やバスツアーなどを開催。川口オート、伊勢崎オート、浜松オート、山陽オートでもイベント出演中。

TOP