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赤岡 修次 騎手(高知)

2008年01月20日

  昨年、初の高知リーディングに輝いた赤岡修次騎手は、今まさに充実期を迎えている。
今年は年間200勝に届くほどの好成績を挙げ、そしてJRA阪神競馬場で行われたワールド
スーパージョッキーズシリーズ(WSJS)に、地方競馬の全騎手を代表して参戦。
通算1000勝も達成して、ますます進化を続ける赤岡騎手に話をうかがった。
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まずは優勝してWSJSへの出場権を手にしたスーパージョッキーズトライアル2007
を振り返ってもらった。

■1戦目は1番人気の馬が時計的にも抜けていたので気楽に乗りましたが、僕の馬
(ポエラヴァ=9番人気2着)も行きっぷりがよくて、「これなら」と思って追いました。
1000メートル戦でしたが、1周1100メートルの馬場に慣れているせいか、向正面も
最後の直線も長かったですね(笑)。それが逆にあわてなくても大丈夫と、しっかり
構えられたことにつながったのかもしれません。

2戦目(ヤマトロード=6番人気6着)は逃げましたが、いま考えると2番手のほうがよかったかも。
こういうレースは全馬乗り替わりですし、自分の肌で感じて乗るしかありません。
本当にフィーリングが試される舞台なんだなと思います。

名古屋での3戦目と4戦目は偶然同じ厩舎の馬。どちらも人気がなかったのですが
(3戦目・カンドーレ=6番人気3着、4戦目・ラピスレヴェリオン=12番人気2着)、厩務員さんが
すごく感じのいい人で。これはがんばらなきゃいかんな、と気合が入りました(笑)。
おかげさまで優勝することができましたので、阪神競馬場では悔いを残さないように乗ってきたい
ですね。地方競馬の代表として行くわけですから。

そう意欲を語っていた赤岡騎手は、デビュー時には日本プロスポーツ大賞の新人賞を受賞するな
ど順風満帆のスタートだった。しかし大きな挫折も味わっている。

■マカオの国際見習騎手招待にも行って、3年目にはイージースマイルで高知の二冠も獲りました。
でも4年目に落馬して、左足の靭帯断裂で4カ月も入院したんです。そしてようやく退院して競馬場に
戻れたのですが、そのときには自分が乗る馬がすっかりいなくなっていました。

さらに、ときどきヒザが脱臼するような感覚がする後遺症もあって、以前のようには乗れなくなっても
いたんです。だから5年くらい、成績が低迷しましたね。心もすさんでいたのかなあ。あまり仕事もせず、
評判も悪くなる一方で。その状況が長く続いたので、騎手をやめるつもりでいたんです。

そんな自分を助けてくれたのが西川(敏弘)騎手。熱心に止めてくれましたし、お手馬がカチ合ったとき
には騎乗馬を回してくれたりしました。落馬したのは、スタート直後に前の馬に追突したという完全な
自分の責任。当時は馬に乗るのは楽しかったけれど、気の緩みがあったのだと思います。

リーディング下位をさまよった赤岡騎手。復活するきっかけは何だったのだろうか。

■徳留(康豊)騎手が金沢に移籍してから、(同騎手が所属していた)松木啓助厩舎の攻め馬を
手伝うようになって、あまり期待されていなかった馬でよく勝ったんです。そのおかげなのか、
だんだん騎乗数が増えていきましたね。でも失敗するとすぐに乗り替わりになるんです。

やっぱり失った信用はすぐに取り戻せるものではないんだなと反省して、1戦1戦に集中して乗る
ようになりました。そこでこだわったことは、とにかく逃げること。当時は逃げが得意の騎手が少な
かったので、そこを突いて逃げまくりました。その後、田中守厩舎に声をかけていただいたことで、
成績が飛躍的に伸びてきました。今にして思えば、あのケガは僕にとってよかったですね。

今は他の競馬場のレースを研究したり、イメージトレーニングをしたりしていますが、当時のまま
だったらそんなことはなかったと思いますから。

再び昇り竜の勢いになった赤岡騎手。普段の騎乗スタイルは、どのようなものなのだろうか。

■高知はすごく馬場が重いんですよ。だから1300メートル戦と1400メートルでは最後の踏ん張りに
違いが出ます。雨が降って内側の砂が流れても、馬場管理がしっかりしているのですぐに元通りに
なりますし、やはり少し外を回るほうがいいですね。でもそんななかでも砂が軽いところがあるんです。
返し馬のときには速脚で1〜2コーナーと3〜4コーナーを走らせて、どこが軽いのかを必ずチェック
しています。僕が常に考えているのは、馬の力を最大限に出すためにはどうすればいいのかということ。
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道中は勝負どころまではハミをかけずに見せムチを使いつつ、ギリギリまで楽に行かせて、勝負を
かけていきます。他の騎手のクセなども考慮しますよ。それに役立っているのがイメトレですね。
当日に出走メンバーを見てから何十通りもレースパターンを考えます。こうすれば勝てるという
イメージができるまで、頭の中でレースをするんです。

最後に大舞台となるWSJSへの抱負をうかがった。

■高知では1番かもしれないけれど、今後も続く保障はありません。今はとにかく技術をもっと上げ
たいですね。世界の一流ジョッキーといっしょに乗れる機会を与えられましたから、それを体感する
ことで自分のなかで何かが変わるのではないかと期待もしています。

昨年のWSJSのビデオを見ると、全馬がコースロスなく乗っていて、2番手追走のままでどこも開かず
に負けた馬もいました。そういう感覚もしっかり吸収したいと思っています。

インタビューをさせていただいたのはWSJSの2週間前。そして本番では第2戦で見事に勝利。
「まさか勝てるとは......」と笑顔で表彰台にのぼった赤岡騎手は、翌日もエキストラ騎乗で勝
利し、総合順位も第3位と存在感を示した。間違いなく、今後に要注目の騎手だといえるだろう。

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赤岡修次(あかおかしゅうじ)

1977年3月15日生 魚座 B型
高知県出身 工藤英嗣厩舎
初騎乗/1994年10月10日
地方通算成績/7,597戦1,052勝
重賞勝ち鞍/黒潮皐月賞、高知優駿2回、黒
潮菊花賞、高知市長賞2回、珊瑚冠賞2回、
建依別賞、金の鞍賞、花吹雪賞、黒潮スプリ
ンターズカップなど14勝
服色/白、右青たすき、そで青二本輪
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※成績は2007年11月20日現在

(オッズパーククラブ Vol.8 (2008年1月〜3月)より転載)
 

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