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高松 亮 騎手(岩手)

2013年07月01日

6月3日に行われた岩手ダービーダイヤモンドカップをヴイゼロワンで制し、念願のダービージョッキーとなったのは、デビューして今年が10年目となる高松亮騎手。そのダービー制覇の喜びや、今後のことについてうかがいました。

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横川:まずは『岩手ダービーダイヤモンドカップ』を制した時の、感想から聞かせてください。

高松:ゴールの瞬間は本当に興奮しました。ヴイゼロワンの陣営からは“この馬はダービーを勝つために連れてきたんだ”と言われて。そういう馬に自分を信頼して乗せてくれて、そして勝つ事ができましたからね。

横川:少しレースを振り返りましょう。道中は先行策、ハカタドンタクらライバルと見なされた馬たちを後ろに置いての戦いになりました。

高松:自分の考えではライバルを前に見ながらがいいのかなと思っていたのですが、相手の行き脚がそれほどでなくて、一方自分の馬は抜群のスタート。だったらヴイゼロワンのリズムを崩さないようにしようと。

横川:その先行策から積極的に動いて直線は自ら先頭に。

高松:それもあくまで馬のリズムを守って、ですね。スムーズな流れを作って自然に加速させてやるのがヴイゼロワンには一番いいと思って乗っていましたから、あそこはそれまでの流れのまま動いていった形です。

横川:最後の直線ではハカタドンタクが迫ってきて、いったんは前に出られたりもしました。あのあたりはかなりヒリヒリしたんじゃないですか?

高松:そうですね。これで負けたら“お前の仕掛けが早かったから”と言われるかもしれない…そう思わないでもなかったですけど、でも自分の馬の手応えはずっと良かったし、そこまでも思った通りに進んできていた。相手はずっと脚を使い通しで上がってきていたのが分かっている。それでもし交わされ突き放されたりしたとしたら、それはあっちがバケモノなんだ…。腹は括っていましたね。

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横川:これで重賞は3勝目ですが、“ダービージョッキー”はやはりちょっとこれまでとは喜びの質が違うんじゃないかと思うけど?

高松:なんというか、少し時間が経ってから“こんな大きな出来事だったのか”と感じましたね。

横川:それはどんな事で?

高松:たくさんの人にネットやメールとかでメッセージを貰ったんですよ。もちろんいままでもいただく事はありましたが、今回はその数が段違いだったんです。それもこれまでにもいただいていた人ばかりでなく、初めての方なんかからもたくさん。自分は、正直それほど手放しで喜んではいなかったんです。自分のキャリアからすれば満足しちゃいけないですから。でももの凄くたくさんの方から祝福されて、自分はこんなにたくさんの人に支えられていたんだ…と改めて実感しました。

横川:今年は騎手生活10年目。区切りらしい勝利になったのでは?

高松:10年という区切りは、自分ではあまり気にしてないです。いや気にした方がいいのかもしれないけど、騎手としてまだまだだなと感じているから“10年やって上手くなった”とか“騎手としてのポジションが固まった”とかは思ってないですね。毎年同じように挑んでいるつもりですよ。

横川:でも今年は既に重賞2勝。順調なスタートを切ったように見えるけども

高松:今年は、そうですね、ここ何年かの中では、なんというか腹が据わったというか競馬に向かう気持ちが違う…とは自分でも思っていますね。

横川:それはどういう点で?

高松:今年の1月1日にケガをしちゃって、自分的にはちょっとキツいケガだったんですね。前もケガでシーズン終盤を棒に振ったこともあったけど、気持ち的には今年の方が数段重かった。いろいろ悩んだんですが、そんな中で馬に乗れる、レースに出ることができるのが自分はやっぱり好きなんだ…と再確認できたように感じるんです。

横川:“騎手・高松亮”的には2年前もけっこうなピンチだったと思うけど(※2011年終盤、高松騎手はケガで戦列を離れていたが、治療休養中に所属厩舎が解散してしまった)、あの時よりもキツかった?

高松:あの時もピンチでしたね。鎖骨を折ったんですが、あれだけ大きなケガをしたのは初めてだったからショックもあった。でも今年は、気持ち的にはあの時以上だったかも。ケガをしてしまうとどうしてもゼロからの再スタートになるんですが、今年はゼロよりもさらに“どん底”で、そこからはい上がっていくしかないのか…という気分でしたから。ただ、さっきも話したようにそれで逆に吹っ切れたというか。いい意味で悩まなくなりました。変なことで悩んでる場合じゃないだろ、って。

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横川:そんな今年の“騎手・高松亮”はどんな目標を立てている?

高松:通算500勝が間近。とりあえず手近な目標なのでこれはしれっと達成しておきますよ。あとは年間100勝。毎年言っている目標なんですけどね。

横川:100勝というのはリーディング上位を争うために…ということ? 最終的に1000勝とか2000勝とかまで辿り着きたいから、そのための最低ラインだ…とかそんなことなの?

高松:ん〜。それもないことはないけど、ちょっと違うんです。この先、自分で考えていることがあって、100勝達成はそのために必要なことなんですよ。

横川:んん〜。気になるなあ。それは100勝できたらその理由が明らかになるの?

高松:いや、明らかにしないですよ。話さないと思います(笑)。

横川:気になるけど、100勝達成した時の高松騎手を見たら理由が分かる…ということにしておこう。それから高松騎手は過去によく他地区で期間限定騎乗していましたが、またどこかに行かないのか?と楽しみにしているファンも多いと思いますが。

高松:ここ2年くらいはケガのせいもあって行けなかったし来年もまだちょっと時間が取れそうにないんですけど、行きたい気持ちはあります。それに行くとなったら腰を落ち着けてまとまった期間乗りたいですからね。また行きますよ。

横川:楽しみにしています。

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※インタビュー・写真 / 横川典視

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