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中西 達也 騎手(高知)

2016年07月07日

4月24日に地方競馬通算2500勝を達成した、高知の中西達也騎手。デビューから30年目を迎えた今年もすでに重賞2勝! 46歳のベテランとして、強い存在感を放っています。

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まずは2500勝達成、おめでとうございます。

ありがとうございます。長く乗っていればいつかはと思っていましたが、区切りの勝利なので素直に嬉しいですね。若い頃にはここまで乗っている自分を想像できなかったし、まさか2500勝もできるとは思っていなかったです。大きなケガもあったし、騎手として戻って来られて本当に良かったなと思いますね。

去年大きなケガをされたんですよね。

そうなんです。これまでそれほど大きなケガをしたことがなかったんですが、去年1月のケガは相当酷かったですね。股関節の脱臼骨折だったんですけど、とてつもない痛みと、足がおかしな方向に向いているのを見て、「これはただごとじゃないな」と思いました。お医者さんからも「元のように乗れるかわからない」と言われてしまったので、覚悟はしなきゃいけないなと思いました。さすがに凹みましたね。

どうやって気持ちを保ったんですか?

保ったというか、ずっと不安はありました。リハビリで体を動かしても、馬乗りの感覚と違うじゃないですか。だから、乗ってみないとわからないなと思っていました。年齢的にもそろそろ辞める時期なのかもしれないというのは頭をよぎりましたし、まだ乗っていたいという気持ちと、どっちもありましたね。もし復帰して思うように乗れなければ騎手を続けることはできないですから、とにかく早く乗りたいという気持ちでした。

実際に復帰してみていかがでしたか?

久しぶりに乗れた時には本当に嬉しかったです。騎乗に関しても問題なかったので、戻って来られてすごくホッとしました。勝つことができた時は、ジョッキーっていい仕事だなって改めて思いましたね。家族や周りの方々、ファンの方々に支えていただいて本当に感謝しています。でもケガからの復帰というのは自分自身で乗り越えなければいけないことなので、なんとか乗り越えられて本当に良かったです。

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福永洋一記念表彰式

5月にはニシノファイターと共に福永洋一記念を勝ちましたけれども、あのレースは特別な雰囲気がありますよね。

もう本当に特別なレースですよ。ずっと勝ちたいと思っていたレースだったので、勝ててすごく嬉しかったです。福永洋一さんもいらっしゃいますし、ファンの方もマスコミもたくさん来てくれて注目度も高いですから。表彰式は感無量でした。

レースは逃げてかなり渋太く粘りました。

ニシノファイターは逃げて早めに叩かれると一気に失速してしまうんですけど、並ばれている状態ならば渋太いんですよ。この時も3コーナーくらいから並ばれたんですけど、途中で息も入ったし、被せられなかったので最後まで粘ってくれました。その次のA級選抜戦もいい形で勝てたし、まだまだがんばってくれると思います。今は休養しているので、夏はゆっくり過ごして今後が楽しみですね。

さらに5月はブラックビューティで黒潮皐月賞も制しましたが、残念ながら高知優駿には出走しませんでした。

そうなんですよ......。唯一三冠を獲る権利のある馬だし、チャンスも十分あるので期待していたんですけど。脚元が少し気になったので、大事を取って回避ということになりました。辞めることも勇気が必要だったんですけど、出走すれば確実に人気になりますから、中途半端なことはできないなと。ただ、休ませたぶん馬は良くなると思うので、今後の成長に期待しています。

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黒潮皐月賞を制したブラックビューティ

では、今後の目標を教えて下さい。

ケガなく休まず乗る、これに尽きますね。体はもちろん若い頃と同じではないですが、その分若い頃にはできなかったことを身に付けたと思っています。それに、同期の西川(敏弘騎手)ががんばっているので、自分だけ落ちぶれるわけにはいかないです。西川とは今でも調整ルームで同室なんですけど、悩んだ時とか、人に言えないことでもなんでも相談できるんですよ。まだまだ一緒に高知を盛り上げたいですね。ファンの方からも「アーサーがいないとつまらない」と言ってもらえると嬉しいですし、応援してくれる方がいる限りがんばります!

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※インタビュー / 赤見千尋(写真:高知県競馬組合)

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