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西 謙一 騎手(ばんえい)

2016年11月29日

10月30日に通算1000勝を達成した西謙一騎手(30)。デビューして9年9カ月での達成は、藤本匠騎手の11年5カ月を塗り替える、ばんえい競馬史上最短記録です。

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1000勝おめでとうございます。10年で1000勝は、単純計算で1年で100勝していることになりますよ。

ありがとうございます。周りの環境に恵まれていただけです。最短といっても、今は1年中競馬をやっているからね(以前は12月や2月で終了していた)。

1000勝まであと4、5勝のときに記録のことを教えてもらった。すぐ達成したいなと思ったけど、そこから時間がかかった。でも、急いだら余計悪い結果になると思って、特に意識はしませんでした。そのうち、そのうちって。デビューして10年の間に、ばんえい競馬の環境も大きく変わった。早かったな。

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父、西弘美調教師は騎手時代、2479勝しています。乗り方などを教わることはありますか。

ハミの触り方とかを少し言うことはあるけど、新人のころからほとんど何も言いません。言われても、親子だから、言うこと聞かないしね(笑)。一緒に騎乗していたのは3年くらいかな。比べられるのは嫌だった。子どもの頃から馬に触っている騎手もいるけど、自分は親が騎手といっても、高校まで馬を触っていないし。親が騎手をやめた後、乗っていた馬に乗せてくれた、という利点はありました。子どもは小2と年長ですが、好きなようにさせています。下の子は馬が好きみたい。

ばんえいでは若手の活躍が目立っていますが、それを引っ張る存在だと思います。

もう若手じゃないかな。裏方でいいよ(笑)。若いのに負けないようにしなきゃ。みんな、頭数乗ってるし。年上の騎手もまだまだ元気だけど、そろそろ世代交代したいね。実戦を積まないとうまくならないから、乗れる若手には、馬を回すようにしている。若い騎手は仲がいい。毎週金曜、俺の部屋に集まってご飯を食べている。夏は焼肉、冬は鍋。誕生日の騎手がいたら誕生会やったりね。

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2014年ばんえいグランプリを制したフジダイビクトリー

楽しそうですね。思い出の馬は。

特別などを乗せてもらったニシキダイジン(2010、2012ばんえい記念)ですね。ダイジン以外にも、「ニシキ」の冠の仙頭富萬オーナー(故人)にはお世話になりました。ダイジンは、このような馬がばんえい記念を勝つんだと思いました。道中(1障害と2障害の間)が強い。重い荷物でも、苦にせずにすいすい進む。

トモエパワー(2007〜09ばんえい記念)にも乗っていますが、自分が乗ったのは一番強い時期ではなかったので。

代表馬は、どの馬になるでしょうね...?

そう、「西謙一、といったらこの馬」という馬がいない。2歳から乗っている馬はなかなかオープンに進まないんだ。これも、そのうちだね。馬と一緒の競技だから。自分1人じゃできないことだからね。

期待の馬はいますか。

2歳のトモエハイセイコーです。トモエパワー産駒で唯一の現役馬(ほかに未出走馬が1頭)。馬体の前のほうは父似で、後ろは母似でまだ少し寂しい。身が入ればもっと良くなる。1歳と当歳に、全妹がいるようなので楽しみです。

白毛のハクバボーイは、母(ハクバビューティー)に似て一生懸命。10年経って、自分が乗っていた馬が繁殖馬になって、子どもに乗るようになったから楽しいよね。

ホクショウユウキは重量戦に慣れて、だんだん良くなってきた。アオノレクサスは10歳だけど気持ちが若い。だいぶ気性は落ち着いたけど。

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ハクバボーイ

これからの目標はリーディングでしょうか。

まだ(鈴木)恵介さんには敵わない。ペースが速くてもあせらないし、いつもその馬に合ったペースで来る。人気を背負っても来るし。

1000勝は一区切り。また1からのスタートだね。減量がなくなったときもだけど、どこかで壁に当たる。そのつど、うまい騎手の乗り方を見て覚えて、考える。自分の代表となる馬に出会いたいけど、あまり力んでもだめだから、勝てるレースを勝ちたいです。

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※インタビュー・写真 / 小久保友香

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