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松田 道明騎手(ばんえい)

2017年02月02日

NARグランプリ2016ばんえい最優秀馬に選ばれたフジダイビクトリーの主戦騎手、松田道明騎手。今年3月のばんえい記念で連覇を狙います。自身の通算2000勝も目前となりました。

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NARグランプリのばんえい最優秀馬に、フジダイビクトリーが選ばれました。

重馬場に合う馬だよね。ゆったりと刻む(1、2障害の間で息を入れる)レースが向いている。強いし、苦しくても2障害後にがんばれる我慢強さのある馬だ。精神的に弱い馬だと、刻むのが苦手な馬もいるんだ。止められると、ためた分を爆発させることができる。

ばんえい記念に向けた調教はもう始めていますか?

それはまだだけど、昨年末くらいから俺がずり引きも含めて調教をつけている。競走馬は人間が作るものだし、1年通じて調子のいい馬というのはなかなかないんだ。状態は外からでは見つけづらく、レースをしていると感じるものがある。厩務員がやるエサだって、なかなか難しい。ばんえい記念までに、スタッフ全員で、いい状態になるよう体を作っていきたい。

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2016年ばんえい記念をフジダイビクトリーで勝利

今年はメンバーがそろうばんえい記念となりそうです。

初挑戦のオレノココロやニュータカラコマなど、若い馬がどれだけ成長しているかだね。今強いといっても、1トン積んだらわからない。3分かかるレースは今、少ないから。2分台ばかりで、3分かかるレースに挑戦したことがないでしょう。

1トン、というよりは長くレースを続けられるスタミナが重要になる。昨年のゴール前は、ニュータカラコマは筋肉がもたなくて精神的にいっぱいいっぱいだったし、コウシュハウンカイもこずんでいた。フジダイビクトリーは出走した2回ともそこそこいいレースをしているから、調子を落とさなければ3分台で来ると思う。馬場状態もあるけどね。

普段は「前脚:後ろ脚」が「3:7」で進むんだけど、つらくなるとそれが「5:5」になる。人間も、登山をしていたら目の前にあるひもや生えている草を引っ張るでしょう。膝を折る(つく)というのは、それと同じで、前脚に頼るからなんだ。そうすると頭が低くなる。頭を上げて重心が後ろのままだったのが、カネサブラック(ばんえい記念など重賞21勝)。でも、道中強い馬もいるし、障害をうまくあげればいいことだからね。3分台を予測しているけど、4分のレースになったらわからないよ。

車にたとえると、4速の脚を持った馬より、2速の馬は重い馬場が強い。でも軽い馬場だと勝てない。ビクトリーはいい脚(切れ味)はないが、そういう(2速の)良さがある。カネサブラックはいろんなギアを持っていた。重たくても軽くても平均歩ける。最強だよね。

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ジェイワン

カネサブラックもNARグランプリのばんえい最優秀馬に選ばれましたね。今年度、産駒がデビューしました。初年度からジェイワンが活躍しています。

ジェイワンは重い方が向いている。今は軽馬場で1分過ぎのレースだから負けることもある。ゴール版過ぎても走れるくらい、脚色がまだ残っていることもあるくらいだからね。1分40秒くらいで、他馬が脚色を残せないレースならほかの馬がついていけない。父親には似ていないけど、母馬も走ったからね。

2000勝も目前です。今シーズンはリーディング2位で逆転もあるのではないでしょうか。

そうなの? 2000まであと何勝? 数乗ったら勝てるから。2000勝できたんだ、ってだけ。あとは何もないよ。

リーディングはどうかな。乗っている数が違う。いっぱい勝つというのはうまいのもあるんだけど、1日に最大で乗れるのが7回で、1開催6日で42回。乗り馬が100頭いたら、いい馬を選んで乗れるということさ。

最近はパドックに学生など若い人が増えて「道明チャンス!」「思い切っていけ」と声をかけられる。俺が考えているのと同じ内容で、その人なりに勉強して予想いるのがわかりうれしい。その期待に応えたい。

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※インタビュー・写真 / 小久保友香

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