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田野 豊三 騎手(兵庫)

2017年09月21日

2010年に園田競馬場でデビューした田野豊三騎手。今年(2017年)の7月から、門別競馬場でデビュー以来初の期間限定騎乗を行っています。8月8日の門別第7レースでは通算200勝を達成、同19日の札幌第10レース・富良野特別ではスピリアとのコンビでJRAへも初めて参戦しました。異なる環境でどのようなことに取り組み、どのような生活を送っているのかについて伺いました。

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期間限定騎乗も佳境に入りました(10月12日まで)。ここまでレースに乗ってみての感想はいかがですか?

園田との馬場やコースの違いが分かってきたのかなとは思います。門別は直線が長いので、直線でヨーイドンのスピード勝負になりやすいのが大きな違いですね。

ホッカイドウ競馬は2歳戦が中心ですが、若馬が多いということで、レースの質や乗り方に違いは出てくるものですか?

古馬と違って、ハミの受けさせ方だとか、馬をフラつかせないように乗ることが注意点だと思いました。鐙も長くしないといけませんし。

調教の面での、園田と門別の違いは何ですか?

やはり坂路があるということが大きな違いですね。ただ、いろんな厩舎で調教を手伝わせていただいていると、厩舎によって調教メニューにも違いを実感できます。コース(の調教)でも結果を出されている厩舎もありますからね。

8月8日には通算200勝を達成されました。今シーズンここまでは、前年以上のペースで成績を挙げられています。

200勝はあくまで通過点なんですけど、園田の同期(杉浦健太騎手)のことを考えると、ちょっと遅いのかなと思います。年々勝ち鞍の数を増やしていきたい気持ちはあるんですが、門別に来たときに「勝ち鞍にこだわらず、自分の乗り方を一から勉強しなおそう」というつもりだったので、門別では特に成績にはこだわっていないです。たとえ成績が去年より悪くなっても、なにかいい出会いがあればそれでいいかなと。

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今回の期間限定騎乗が決まったきっかけを教えてください。

今年の冬に、お世話になっている馬主さんと新冠へ2歳馬を見に行った夜に飲み会があったんですけど、田中淳司先生や川島洋人先生も同席されていたんです。それで、馬主さんから「門別で勉強したらどうだ?」と提案されて、先生がたも「来るなら面倒見るよ」と言ってくださったのがきっかけです。

実際に門別に来てみて、最初に驚いたことは何ですか?

門別はとにかく「広いな」というのが第一印象でしたね。厩舎地区なんかも広く使っている印象でしたし、馬のためにはいい競馬場なのかなと思いました。

受け入れ先の川島洋人調教師もかつては活躍されたジョッキーでした。レースや調教では、どんなアドバイスを受けていますか?

2歳馬にしても古馬にしても、馬がちょっと甘えたりじゃれてきたりしたときに、しっかり「ダメだよ」と教え込むことが重要だということはよく言われています。とにかく、馬にナメられないようにするというか。坂路の登り方だとか、とにかく調教が大事だということを教えていただきましたね。それまで何も知らなかったんだなとか、できていなかったんだなと感じさせられました。レースでも「ゲート裏で手の内に入れるように」と教えられています。馬の好きにさせてはいけないと。もちろん、園田でまったく考えていなかったわけではないんですけど、それは特によく注意してもらえますね。

その川島厩舎では、スピリアとのコンビで初めてJRAに参戦しました(8月19日札幌第10レース、富良野特別)。

王冠賞(8着)の前に、先生から「中央行くぞ」と言われたんですけど、最初に聞いたときは「本当に?」と驚きました。実際に行ってみると、施設の違いも感じましたし、芝コースでのレースに乗ること自体初めてだったんですけど、返し馬でもいくらでもスピードが出そうな感じでした。

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結果は残念ながら14着となってしまいましたが。

「芝のレースだから」と思って、普段と違う乗り方にしたんですよね。言い訳になってしまうんですが、道営でもズル賢さを出す面がある馬だったので、そういう面を出さないように、普段のように、押し込むような形で乗っていけばよかったと思います。

一度JRAの競馬を経験したことはいかがでしたか?

一度芝のレースに乗ってみたいという気持ちは持っていたので、いい経験をさせてもらいました。声援の大きさも違いましたし、「JRAに乗る」ということはモチベーションになりますね。

北海道のジョッキーの皆さんとは、プライベートでもつながりはあるんですか?

北海道には同期がいなかったので、初めのうちは溶け込めるか不安もあったんですけど、若いジョッキーたちとご飯へ行ったり遊んだりとかもするので、歓迎されているのかなと思います(笑)。別に園田がギクシャクしているということもないんですけど、門別のほうがプライベートでの繋がりも多いですね。中野省吾さんがワールドオールスタージョッキーズへ乗りに札幌へ来たときも一緒にご飯へ行ったんですけど、一期上の先輩だったので、教養センターにいた馬の話とか、兵庫で一期上の先輩の山田(雄大)さん(兵庫)や山崎(雅由)さん(高知)の話になりました。

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(左から)井上幹太騎手、水野翔騎手、田野豊三騎手、石川倭騎手、阿部龍騎手

期間限定騎乗も残り少なくなりました。残り少ない期間でどのようなことを得たいですか?

馬の扱い方をもっと細かく知りたいです。これまで園田で教えてもらったこととはまた別の角度から、いろいろなことを教えてもらえて、本当にいい経験になっています。園田に帰ってから、門別で得たことを試せるようにしたいですね。

最後に、オッズパーク会員の皆さまへメッセージをお願いいたします。

ジョッキーパンツにも広告を出していただいたりもして、いつもお世話になっています。このようなジョッキーについての読み物などで、僕たちを身近に感じていただければと思いますね。馬券を買いながら、僕の成長ぶりも見ていただきたいですし、機会があれば競馬場にも足を運んでいただきたいです。

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※インタビュー・写真 / 山下広貴

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