■Gallop予想記事

週刊Gallop 10月4日掲載

【第23回ﾏｲﾙCS南部杯 10月11日 盛岡 統一GI､3歳以上､定量､ﾀﾞｰﾄ1600ﾒｰﾄﾙ】
体育の日の10月11日､岩手最大のﾚｰｽ･統一GI｢ﾏｲﾙCS南部杯｣(ﾀﾞｰﾄ1600ﾒｰﾄﾙ)が盛岡競馬場で行なわれる｡注目は11月6日のﾌﾞﾘｰﾀﾞｰｽﾞCｸﾗｼｯｸに挑戦する国内ﾀﾞｰﾄ最強馬ｴｽﾎﾟﾜｰﾙｼﾁｰ｡世界に羽ばたく前に､ここでどんなﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽを繰り広げるか必見だ｡なお､勝ち馬にはJBCｸﾗｼｯｸ(11月3日､船橋1800ﾒｰﾄﾙ)､またはJBCｽﾌﾟﾘﾝﾄ(同､1000ﾒｰﾄﾙ)の優先出走権が与えられる｡

【あくまでも"世界前哨戦"】
<その強さ､目に焼き付けろ!!ｴｽﾎﾟﾜｰﾙｼﾁｰ>
国内ﾀﾞｰﾄ最強馬ｴｽﾎﾟﾜｰﾙｼﾁｰが､いよいよ始動する｡昨年のかしわ記念を皮切りに､ﾏｲﾙCS南部杯､ｼﾞｬﾊﾟﾝCﾀﾞｰﾄとGI3連勝｡09年の最優秀ﾀﾞｰﾄﾎｰｽに選ばれた｡今年に入ってもﾌｪﾌﾞﾗﾘｰSを楽勝し､安達昭夫調教師が｢状態が良くなかった｣と話す前走のかしわ記念でもﾌﾘｵｰｿ以下を子ども扱い｡GI5連勝は､後続を大きく離しての勝利ではないが､いずれも危なげない勝ちっぷりを見せており､まさに国内には敵なしといった印象だ｡
当然目標は世界に向けられ､目指すはﾌﾞﾘｰﾀﾞｰｽﾞCｸﾗｼｯｸ(11月6日､ﾁｬｰﾁﾙﾀﾞｳﾝｽﾞ､ﾀﾞｰﾄ2000ﾒｰﾄﾙ)｡ここは､完全に勝負付けの済んだ組み合わせでもあり､まさに壮行ﾚｰｽといった様相｡
5ヶ月ぶりの実践で大目標を上記に見据えるとはいえ､9月20日に行なわれた1週前追い切りでは栗東の坂路で4ﾊﾛﾝ50秒5-37秒0-12秒5の好時計を馬なりでﾏｰｸ｡｢ひと追いごとに動きが良くなってきたし､いい状態で挑めそう｡体つきもいつもと変わらない感じですよ｡もう1度追えば万全になるでしょう｣とﾄﾚｰﾅｰ｡
業界へ羽ばたくためにも､圧倒的なﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽを見せつけて6度目の載冠を果たす｡

【ひと叩きされ状態上向き】
<GI2勝目へ舞台は整ったﾃｽﾀﾏｯﾀ>
昨年のJDDを制したﾃｽﾀﾏｯﾀも争覇権｡ﾀﾞｰﾄに転じてから【3122】で､着外はともに休養明け｡ﾌｪﾌﾞﾗﾘｰSではｴｽﾎﾟﾜｰﾙｼﾁｰに食い下がって2着しているだけに左回りﾏｲﾙへの適性は高く､実績からも地力上位は明らかだ｡前走の日本ﾃﾚﾋﾞ盃は4着だが､元来が鉄砲駆けしないﾀｲﾌﾟなので仕方のない結果｡そこで手綱を取った内田博幸騎手が｢ﾍﾟｰｽが遅く､馬場も向かなかった｡でも最後はいい感じで伸びていたし､次につながると思う｣と話していただけに､叩いて本来の力を発揮できそうなここは､GI2勝目の期待も大きい｡

【伸び盛りの3歳馬】
<強敵相手に真っ向勝負ﾊﾞｰﾃﾞｨﾊﾞｰﾃﾞｨ>
前走のｼﾞｬﾊﾟﾝﾀﾞｰﾄﾀﾞｰﾋﾞｰは連戦の疲れが出た印象で6着と大敗したﾊﾞｰﾃﾞｨﾊﾞｰﾃﾞｨだが､それ以前は中央･地方を問わずﾀﾞｰﾄで【5100】｡3歳ﾀﾞｰﾄ路線ではﾄｯﾌﾟｸﾗｽの存在で､地力の高さは証明済みだ｡
その後は立て直しを図るべくﾘﾌﾚｯｼｭし､｢夏にひと息入れて状態はいいよ｣と池江泰郎調教師｡｢どこの競馬場だろうと特にどうこうというのはない｣と続けるようにｺｰｽ替わりは不問で､左回りにも実績がある｡
古馬初対戦でいきなりGIと厳しい条件だが､伸び盛りの3歳馬だけに期待の方が大きい｡

【条件はそろった】
<ｾﾚｽﾊﾝﾄ>
そのほかのJRA勢も強力だ｡ｻﾏｰﾁｬﾝﾋﾟｵﾝで重賞初制覇を飾ったｾﾚｽﾊﾝﾄも侮れない｡実績からはﾀﾞｰﾄの短距離がﾍﾞｽﾄの印象だが､2走前からもﾏｲﾙはOK｡｢深くて重い砂は合うと思ったし､小回りもﾋﾟｯﾀﾘじゃないかな｡相手は強いけど､今の状態でどこまでやれるか楽しみ｣と松永幹夫調教師｡この相手でも期待の方が先行する｡

【盛岡ｺｰｽと好相性】
<ﾒｲｼｮｳﾊﾞﾄﾗｰ>
ﾒｲｼｮｳﾊﾞﾄﾗｰは盛岡ｺｰｽでは【0130】と堅実で､前走のｸﾗｽﾀｰCもﾚｺｰﾄﾞ決着のなか3着に踏ん張る健闘｡10歳でも衰えとは無縁だ｡このﾚｰｽは08年に2着､昨年3着と相性がよく､悲願のGI制覇も夢ではない｡

【地元勢にも注目】
地の利を生かしたい地元勢｡中でもﾏｲﾈﾍﾞﾘﾝﾀﾞは重賞初挑戦だった2走前のﾋﾞｭｰﾁﾌﾙ･ﾄﾞﾘｰﾏｰCで､ｴﾚｰﾇ以下の地方牝馬一線級を破ってﾀｲﾄﾙをｹﾞｯﾄ｡続く前走もｽﾋﾟｰﾄﾞの違いを見せて重賞連勝を飾った｡目先の充実ぶりは顕著で､ここもすんなり先手が取れれば残り目も｡前哨戦の青藍賞では4着に敗れたﾏﾖﾉｴﾝｾﾞﾙだが､昨年のこのﾚｰｽでは6着とはいえ､地方最先着を果たした力量馬｡今年は掲示板以上を狙いところだ｡

提供/週刊Gallop