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上野 雅彦選手

2024年01月30日

昨年、ラストチャンスでヤンググランプリに出場した上野雅彦選手(香川119期)。
22歳で今後の大舞台での活躍が期待される若武者に、デビューしてからの3年間の振り返り、そして今後の目標等を伺いました。

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ナッツ:まずはデビューしてから3年が経ちましたが、振り返っていかがですか。

上野:1年目が順調すぎて、そこからは苦戦している感じですね。

ナッツ:確かに最初はデビューしてから18連勝でS級特進を決めてポンポンと上がった感じでしたもんね。

上野:そうなんですよね。正直全然そんな風に上がれる感じじゃなかったんでびっくりしましたね。

ナッツ:ということはデビューした頃にはS級まで無傷で特進することまでは想像していなかったのでしょうか。

上野:そうですね。特進して上がりたいっていう目標はあったんですけど、ここまで上手くいくとは思っていなかったんです。

ナッツ:ただそこから、ということですよね。S級に上がってからはGIIIも走り、9車デビューもされましたが実際走ってみていかがでしたか。

上野:なんて言うんですかね...。自分が思うようにちゃんと駆けさせてくれないなという感じでした。グレードじゃなくFIでもS級では全然違いますし、タイミングを逃すと置いていかれてしまう感じもありました。今まではタイミングさえ逃さなければ、という感じだったんですけど、それを許してくれないような厳しさを感じましたね。

ナッツ:やはりその辺りは力だけでは通用しない部分というか。

上野:そうですね。7車と9車っていうところも全然違って、2車違うだけで意識しないといけない選手も増えますし、細切れの4分戦になると展開も読みながらっていうところで、その辺りがまだ全然自分が足りないと感じたところでしたね。

ナッツ:その中で徐々にFIでは準決勝や決勝に乗れるようになってきましたが、走って慣れた部分というか、わかってきた部分もあったのでしょうか。

上野:思った以上に自分が駆けていってる時の方が成績が良いイメージがあって、しっかりと力を出し切るレースをしていくことを心掛けていくうちに、段々と着に残れるようになってきたのかなとは思います。

ナッツ:そしてGIIIでも準決勝に乗る経験もありました。やはり準決勝レベルとなると、SS班など相手もかなり上がると思いますが、走ってみていかがでしたか。

上野:うーん、やっぱり強いというか、僕は自分でGIIIの決勝に上がれるような選手ではないと思っていますし、今もそうなのですが、相手の自力選手にだけは絶対負けないように、という意識で走っています。

ナッツ:では今は結果よりも内容をしっかりと重視して、という感じですね。

上野:そうですね。後ろの先輩方が勝ち上がっていけるような走りをしていきたいと思っています。

ナッツ:ただその中で昨年は目標とされていたヤンググランプリにも出場をされました。
ヤンググランプリはGIIという格付けで、初めての大きな舞台でしたがいかがでしたか。

上野:いや~緊張しましたね。笑

ナッツ:緊張ですか。それはどういう部分でですか。

上野:周りは知っている選手ばかりでしたし、そんなにガッツリというわけではないのですが、やっぱり自分が先頭で走るわけでもないですし、犬伏さん(犬伏湧也選手・徳島119期)の後ろだったので迷惑かけられないなという感じで。人の後ろっていうところが、やっぱりあんまり経験としてなかった分ですかね。

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ナッツ:普段自力で戦っているからこその緊張ですね。それだけでなく初めての立川で、しかもグランプリシリーズでファンの数も相当多かったんじゃないですか。

上野:やっぱりグランプリシリーズでファンの声援は凄かったですね。自分への応援もかなり聞こえてきました。

ナッツ:ファンの自分への声援を聞くと、上野選手の中でテンションが上がったり、ということもあるのでしょうか。

上野:それが普段なら「頑張ろう」っていう気持ちになるんですけど、その時はもう自分のことでいっぱいで、お客さんの声は聞こえるんですけど、「平常心!」「平常心!」って自分に言い聞かせていましたね。笑

ナッツ:むしろ気持ちを抑えるくらいの感じだったのですね。取材の数も凄かったと思いますがその辺りはいかがですか。

上野:喋ることに関しては全然苦じゃないので、自分の中でも取材に関してはそんな緊張しないで喋れてる感じはしていると思います。

ナッツ:今もそうなんですけど、色々とインタビューを拝見しても、22歳とは思えない程めちゃくちゃ受け答えがしっかりされてますよね。

上野:いや、それはなんかそういう風に装ってるだけなんです。笑

ナッツ:そうなんですか。笑 落ち着き具合がもう20代後半ぐらいでもおかしくない感じだなと。

上野:その辺りは、周りの先輩方の普段の取材の感じとかも見ていたりするので、それが大きいかもしれないですね。真似するじゃないですけど。

ナッツ:いや~それでも凄いですけどね。ヤンググランプリに話を戻すのですが犬伏選手との並びの経緯を教えてください。

上野:ルーキーチャンピオンの時に一度犬伏さんの後ろを回らせてもらったんです。
その時は3番手に林選手(林昌幸選手・愛媛119期)もいて、林も僕も前で頑張りたいって感じで伝えたんですが、犬伏さんとしては自分が自力で駆けたいという感じだったんですよね。自分より強い人にそう言われたらもうそれなら「付いて行きます」という感じで。
ヤンググランプリの時も、自分が前で、という感じで一応伝えてみたんです。犬伏さんの前で頑張って、犬伏さんに優勝してもらえればいいんでと。 でも周りの自力選手が僕より圧倒的にみんな脚力が上なので、僕がそれで失敗して犬伏さんが力を出し切れず終わるよりかは、犬伏さんが自分のレースをして出し切って、優勝できるような感じで仕掛けてもらえたら、という感じで話し合って、結果的に犬伏さんの番手を回ることになりました。

ナッツ:確かに相手は強烈な選手が揃ってましたし、それを考えた上での並びだったのですね。

上野:僕も犬伏さんに出し惜しみはしてほしくなかったんです。それで自分の後ろについてもらって迷惑をかけるよりは、もう力を出し切ってそれで犬伏さんが優勝できるような感じで仕掛けてもらえたら、僕もチャンスがあるかなって思っていましたね。

ナッツ:なるほど。やっぱその辺りも考え方が大人びていますね。

上野:競輪ってやっぱり人間模様みたいなところがあるじゃないですか。やっぱり周りはみんな仲の良い先輩方ばっかりで、よく知っている後輩からしたら、先輩に勝ってほしいって気持ちがあるんですよね。

ナッツ:上野選手はレースを見ていても、しっかりと流れに沿って、タイミングを逃さず仕掛けるところで仕掛けるし、ラインでしっかりと決めようっていう意識を感じます。

上野:自分が先行した時でもしっかり守ってくれる先輩がいるので、やってもらって、自分もやって、みたいな感じなんですよね。どうしても行けない時は、捲りになってしまって自分だけって時もありますし、逆に先行したら仕事してもらってワンツーとかもあるんでそのあたりの関係性は大事にしたいですね。

ナッツ:素敵な考え方ですね。ヤンググランプリでは実際に犬伏選手と走って、連携はいかがでしたか。

上野:犬伏さんが勝負所で中団にはまってから間髪を入れずに行ったんですよね。
「ここで行くのか!」と思って反応はしたんですけど、ちょうど志田さん(志田龍星選手・岐阜119期)も仕掛けて行って、少し自分の口が空いて、犬伏さんの外にいた志田さんとバッティングしそうになったんです。僕もちょっと遅れ気味で行ってたので、無理やり付いていったら一緒に挟まってしまう、と思ったんで、「あー犬伏さんすみませーん!」と思いながら志田さんを入れて、という感じになっちゃったんですよね。

ナッツ:その後犬伏選手と太田選手(太田海也選手・岡山121期)が力比べをして、上野選手は4番手で前を見る感じでした。最後の直線、ご自身で、最後外に持ち出して踏んだ感触はいかがでしたか。

上野:やっぱり立川の直線長いじゃないですか。風も強くて結構犬伏さんも志田さんも外に出してたんですけど、だいぶきつそうな感じで、自分自身はまだ外から伸びるなっていう感じがあって、最後はしっかりと踏んでいけた感触はありましたね。

ナッツ:結果的には惜しくも3着で、個人的にも上野選手から勝負してたんですが、最後は北井選手(北井佑季選手・神奈川119期)の中割り強襲で配当としては安くなりました。笑

上野:あーそれはめちゃくちゃ言われました!笑 友達も買ってたみたいで「お前、最後差されてなかったら配当めちゃくちゃ良かったのに」みたいに言われました。笑

ナッツ:言われたのですね!笑 その中で優勝したのは太田選手でしたが、同じ中四国として太田選手の走りはどう感じましたか。

上野:いや~やっぱりスピードが凄いですし、その後松浦さん(松浦悠士選手・広島98期)もグランプリを優勝したので、もう本当に最近中四国勢の層が厚いんじゃないかなと思います。

ナッツ:その中で上野選手自身は、どういう存在になっていきたいですか。

上野:まだ年齢的にも新人なので、しっかりと先輩方を引っ張って、という感じです。
後々は後輩も出てきて、後ろを回る場面とかも出てくると思うんで、そういった時でもしっかりと仕事をしてあげられるようになりたいなと思いますね。僕自身が、仕事をしてくれない人が嫌だなと思いますし、そういう人にはなりたくないなと思うので、後ろを回った時にもしっかり援護できる選手になっていきたいですね。それまでは僕自身はもうやれるとこまでは自力で頑張りたいなと思っています。

ナッツ:ちなみに上野選手が目標としている選手はいらっしゃるんでしょうか。

上野:目標の選手はいないのですが、レーススタイルで言ったら、嘉永さん(嘉永泰斗選手・熊本113期)はすごいなと思いますね。先行捲り何でも出来るじゃないですか。郡司さん(郡司浩平選手・神奈川99期)もそうですけど、ちょっと距離が長くても緩んだところを逃さず掛けるみたいなイメージがあるので、そういう選手になっていきたいですね。

ナッツ:上野選手も決まり手としては逃げが多いですが、捲りも出るイメージがあります。

上野:展開によっては捲りもありますし、どちらかと言ったら捲りの方が得意なんです。
でも捲りばかりだとそれも違う感じがするので、しっかりと逃げることで相手からすると、自分を逃がしたくないと思ってもらって、展開的に捲りに回ることになれば自分も楽なんですよね。

ナッツ:その辺りもしっかりと考えて走ってるわけですね。そして次は地元記念が控えていますが、そこに向けてはいかがでしょうか。

上野:今まで2回走って2次予選敗退が続いているので今年は準決勝を目指して頑張りたいなと思います。

ナッツ:ヤンググランプリから考えると、2か月程レースまで間隔が空きますが、練習はずっとされているのでしょうか。

上野:はい。もう練習でしっかりと追い込んでという感じですね。普段はバンクで練習をしていて、師匠(福島武士選手・香川96期)や大師匠になる児玉さん(児玉慎一郎選手・香川76期)の他に集まったメンバーでやっています。あとはやっぱりレース勘だけなくならないかなっていう心配はあります。

ナッツ:そして今年はウィナーズカップの権利も取れてましたよね。4日制のGIIを初めて走ることになりますが、ビッグレースに対しての意識はいかがでしょうか。

上野:いや~もう本当にチャレンジャーの立場なので、先輩に胸を借りるつもりで戦っていけたらなって感じですね。

ナッツ:まずはやっぱり自分の力を出し切るっていうところですね。

上野:そうですね。最初から勝ち上がれるほど甘くはないと思っています。グレードレースだったら自分の力がどれくらいなのか、どんな立ち位置なのかなっていう、確かめる良い機会でもあるかなって思っています。

ナッツ:あとはGIIIに関しても準決勝には2回行っていますが、決勝というところがまだですもんね。

上野:そうですね。やっぱりグレードになると自力選手だけでなく後ろの選手も本当にもう強い選手ばかりなので、捲りに行っては飛ばされ、先行してたら間を割られて、という感じですしまだまだこれから、と思っていますね。

ナッツ:その辺りは、上野選手の中ではこれからどんどん脚力をしっかりとつけて、という感じですね。

上野:はい。ちょっとずつレベルアップできたらいいかなと感じていますね。

ナッツ:その中でご自身の中での特に強化したいポイントは、どのあたりになりますか。

上野:やっぱりトップスピードがちょっと欲しいなって思ってるところですね。やっぱりその辺りがないと、上で戦うにはちょっと厳しいかなと。犬伏さんも太田さんもそのあたりが全然違うんで、そういう人に食らいついていくんだったら、自分もスピードを上げていかないといけないと思っています。

ナッツ:わかりました。今まで選手としての目標を聞いてきましたが、プライベートでの今年の目標はありますか。

上野:プライベートですか!笑 うーん...最近1人暮らしを始めたんですけど自炊を頑張っていきたいですね。笑

ナッツ:おお。じゃあ今まではご実家でお母さまが栄養バランスを考えてということだったわけですよね。それを全部ご自身でやらないといけなくなるわけじゃないですか。

上野:いや~本当にその辺りは今、母に感謝しています。本当にしみじみと感じています。笑

ナッツ:いや~そうですよね。まだ試行錯誤しながらという感じだと思いますが得意料理があれば教えてください。

上野:パスタですね。その中でもトマトクリームパスタです。笑 クリームからちゃんと作ります。

ナッツ:すごい!本格的ですね。

上野:これからはそれ以外にも色々と自炊を頑張っていきたいですね。

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ナッツ:では最後にオッズパーク会員の皆様へメッセージをお願いします。

上野:昨年も一昨年も大事なところで失格をしてしまって、1か月斡旋が止まってしまっているんです。なので今年はとにかく無事に1年間失格なく走りきることを1番に頑張っていきたいと思います。今後も応援よろしくお願いします。

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※インタビュー / ナッツ山本(なっつやまもと)
公営競技の実況に憧れ、一年発起し脱サラ。今年別府競輪と飯塚オートレースの実況でデビューを果たすことになった期待の新星。
まだデビューから間もないが、競輪中継の司会も経験し徐々に活躍の場を広げつつある。星の観測と手品が趣味。

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※写真提供:株式会社スポーツニッポン新聞社

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